LIFULL Creators Blog

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Google I/O 2014 技術にもデザインにも全く触れない初日キーノートレポート

Apple原理主義者の大坪です。

先日Google I/Oに参加するチャンスを得ました。Apple主催のWWDC2014ではなくGoogle I/Oです。何故Apple原ry)が?と問うのであれば、抽選の神様に聞いてくださいとしか答えようが無い。いくら私がAppleを愛していようが、さいころの目が「否」とでればWWDCに参加することはできない。何かの気まぐれでGoogleがふったサイコロが「正」と出ればそちらに参加する権利が得られる。細かいことは抜きにしてとにかく行くのです。そして行ったのです。ああ、世の中にこれほどGoogle Glassの装着率が高い場所が他にあるだろうか。(下の写真の黄色矢印は全てGoogle Glass)

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さて、今回はエンジニアリングにもデザインにも全く関係ない話を書きます。初日のキーノートで何が起こったのか。

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Google I/Oの公式サイトに行くと、初日のスケジュールはこんな感じになっています。

Breakfast: AM7-AM9

Keynote: AM9-AM11

Lunch/Code Labs/Sandbox: AM11-

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今回Google I/O初参加の私は

「そっかー。初日でも朝ごはんがあるんだ。貧乏人にはありがたい。では早めに行き、朝ごはんを食べてKeynoteに臨もう」

などと考えておりました。

さて、会場が近づいてきたけどまだ午前6時45分。少し早くついちゃったかな、と思いながら会場についてみれば長蛇の列が。ああ、やはりKeynoteとはこういうものなのね。

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後から知ったのですが朝食用の列は別にあったとのこと。当時の私はそんなことなどつゆ知らず目に入った入場用の列にひたすら並ぶ。前で話している人たちは英語であれこれ、後ろにいる一団は中国語でしゃべっています。暇だからネットで何か見ようかとも思うわけですがあまりに電池を使って肝心な時に電池切れになっても困る。ヒマだ。

などと思っているといろいろな人達が巡ってきます。まず背中にタンクを背負った

「コーヒーいかがっすかー(意訳)」

の人たち。長い間列に立っていると、体がだんだん冷えてくる。熱いコーヒーが欲しくなるところですが、トイレに行きたくなっても困る。一人だし。というわけでコーヒーは我慢。無料だけど。

次に巡ってくるのが、

「ドーナッツいかがっすかー(意訳)」

の人たち。彼女たちが押すワゴンには色とりどりのドーナッツが乗っている。いくつか手に取ります。無料だから。朝から何も食べていないので、ありがたいのですが米国特有(と私が思っている)

「甘さは正義」

のドーナッツは、あまり個数を食べることができません。

時計は8時をまわりましたがまだ列が動く気配がない。

一歩引いてこの状況を考えなおしてみましょう。ここにいるのは、時間と金を使ってまでSan Fransiscoに来よう、という気合いのはいったNerdとDesigner達。それが何千人もひとつところにとどまって暇を持て余している。これほど費用がかからず、たくさんのNerdに接触できる機会はない。というわけでいろんな会社のリクルート関係の人も回ってくる。

会社の名刺を配って何やら話している人たちもいるのですが、今回一番ありがたかったのはTarget(米国のディスカウント百貨店チェーン)の人達。なんでも

「テクノロジーチームで採用中」

とのことで、リクルート担当の名刺+チョコレートバー+モバイル用のバッテリーを無料で配ってくれる気前の良さ。名刺を渡すとさらにShero2.0が当たるチャンスが!ということなのですが、Targetが東京にオフィス持っているわけないので名刺を渡すのは思いとどまりました。下の写真はもらった物一式。

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ここまでで1時間半以上寒い屋外に立っていることになります。最初は半袖姿だったまわりの人たちも上着を取り出して着込んでいます。

時計をみれば8時半を過ぎ、列はようやく少しずつ動きだす。そのころには列は長く、長くなりMoscone Centerを2重に取り囲んでいる。これだけの人数がたったあと30分で入場できるものだろうか?そんなことを考えていると、隣の駐車場にこんなバナーを掲げる一団が。

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ううむ。Don't be evilというのは何かと話題になるGoogleのスローガン。こうしてわざわざバナーを掲げる人が出てくるところはやはりアメリカだよなあと思ったりもします。日本だとハンドマイクもってビラ配るイメージですか。

さて、そのあと列はどどとっと動く。おそらく朝食を食べたのであろう人たちが一階にいますが、そのままキーノート会場に行けるわけではないらしい。その人達が会場横の出口からでてきて、列に混ざる。これがいいことかどうかわからないのですが、セキュリティの人たちが止めにはいる。

一旦会場に入ると、そのままエスカレーターでキーノート会場まで一直線。椅子に座るとほっと一息。そのうち「もうすぐキーノートが始まります」とアナウンスがありますが、まだ空いた椅子がいっぱいあり、次から次へと人が入ってくる。

そのうち舞台上で巨大「ピタゴラ装置」が動き出しキーノートが始まる。しかし人はまだまだ入ってきます。結局入場する人の列が止まったのは9時40分頃だったように記憶しています。

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プレゼンテーションが始まってしばらくたったところ、何か妙な声が聞こえる。こういう時最初は何が何やらわからないものですね。どうやら誰かが何かを叫んでいる。会場のセキュリティ関係者がわらわら移動していくとやがて静かになり、やれ落ち着いたと思っていたらもう一人でてきたのには驚きました。後で調べればProtesterだったとのこと。

そうしたハプニングもありながらもキーノートは様々なトピックをカバーする。それは日頃Androidに触れることの少ない私にも興味深い内容なのですが、ちょっと長すぎるのではないか。時計を見れば11時を過ぎているのですが終わる気配がない。ぼつぼつ席を立つ人も目立ち始めました。もし11時からのイベントに参加したければ抜けなくてはならない。理解はできるのですが、キーノートといえばWWDCのそれしか体験したことがない私にとって、途中退席する人がいるのは驚きでした。

最後から2番めに登壇した人が"Next"という度に絶望感が深まる。そろそろお開きにしていただけませんかねえ、と思ったところでみんなお待ちかね、おみやげの発表です。最初はCardBoard。なんだそれは?

「これはGoogleのEngineerが20%枠でつくったものだが」

とか説明はいいのですが、正直なんのことかわからない。次にアナウンスされたのがAndroid Wear のプレゼント。キーノートで3種類のWatchが発表された時の会場の反応は、私の主観ではこんな感じでした。

・LGは今日から→パチパチ

・サムソンも今日から→ちょっと微妙な反応

・Motorolaの丸いのは今年の夏から→えーっ(落胆の声多数)。

でもってLG or サムソンを今回渡し+Motorolaは発売になり次第「可能な国に対して」プレゼント。ををこれはすごい。

と参加者のテンションが上ったところでキーノートはお開き。会場を出たところではCardBoardを配っている。見たところAmazonの箱のようなダンボール。それを組み立てた時に何ができるか理解できたのはかなりたってからでした。

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こうしたカンファレンスのキーノートをどのように行うかは、企業によって様々だなと実感しました。私が面白いと思った記事を以下に引用します。

Now imagine if Apple held a WWDC keynote like this, and the shit storm that would ensue. The reactions would be apoplectic. There’d be pundits calling for Tim Cook to be fired.

引用元:Daring Fireball: Mike Wehner on Today's Google I/O Keynote

てきとうな訳:もしAppleがWWDCでこんなキーノートをやったらどんな反応になるか想像してみよう。恐ろしいことになるに違いない。Tim Cookを首にしろ、という声が巻き起こるだろう。

さて、その後には興味深いセッションが続いたわけですがその内容については以下次号(ちゃんと次号はでるのか)