LIFULL Creators Blog

「株式会社LIFULL(ライフル)」の社員によるブログです。

利用者を知ることから始めるサービスデザイン

こんにちは、HOME'Sでマークアップをしている、オガワです。

今回は私が進行を担当したプロジェクトの取り組みを少しお伝えしたいと思います。※マークアップの話はでてきません

 

プロジェクトのはじまり 

弊社が運用しているHOME'Sは、お部屋の広さや設備など『希望の条件を指定する』探し方を主軸にして、ご希望の住まいを探していただいているサービスです。この『希望の条件を指定する』探し方は、HOME'Sだけではなく多くの不動産・住宅情報サイトで提供されています。 

しかしこの探し方だと、提示された選択肢に希望の条件がない場合、いつまでたっても希望のお部屋にたどり着くことができません。

つまり現状のHOME'Sでは満足する住まいを探すことができない方々がいらっしゃるということです。これは弊社の経営理念にそぐわぬ由々しき事態です。

このプロジェクトはそういった方々に満足して探していただけるようなサービスをHOME'Sで提供できないか?ということを課題としたプロジェクトでした。

 

ネクストではプロジェクトの進め方に形式だったものはなく、それぞれのプロジェクトが各々工夫をして進めていっています。

このプロジェクトでは、まず『現状のHOME'Sでは満足する住まいを探すことができない方々』にお話をうかがうところから始めました。

 

なぜお話をうかがうことから始めたのか 

日頃からお部屋探しのサービスに関わっている私たちは『部屋を探すときはこうするものだ』という思い込みがあり、自覚あるなしに関わらずその『思い込み』に影響をうけて物事を判断していっています。

このプロジェクトを進めていく上で、今までの思い込みは邪魔になる、なくしてしまおう。

そんな目的から、HOME'Sでは探せない物件に暮らしている方々にお話をうかがう機会を設けることにしました。

 

お話をうかがってよかったこと 

お話をうかがってよかったこと、それは『え?そういうことを考えてお部屋を探してるの?(それじゃぁHOME’Sで探せないはずだ、、、、)』と今までの思い込みとは違う考え方を知って、今提供している探し方ではダメなんだと実感できたことでした。

 

うかがった内容をメンバーで共有しながらお話をうかがった方々が大切にしている部分を言葉にし、その内容をもとにプロジェクトとしての方向性を決めていきました。

もし『こうなんじゃないか』『いやいや自分はこう思う』といった思い込みや想像で議論をしていっていたら、個人の意見のぶつかり合いになって、なかなか話がまとまらなかったりメンバー全員の納得感を得ることは難しかったと思います。

しかし、実在する人物のリアルな話を前にすると、自分の想像がいかに『思い込み』に影響を及ぼされていたのかを知ることになります。

 

『百聞は一見に如かず』といわれるように実際はどうなのかを知ること、そして自ら生の情報をとりにいくことにどれほどの価値があるのかを実感することとなりました。とても重要なプロセスだったと思っています。

 

また『あの人に喜んでもらえるようなサービスをつくろう』との具体的な指標が見えるようになったことも重要だったと思います。

プロジェクト内容を判断する際にも、『この機能、自分にはあると便利だけど、あの人にとってはあまり意味がないな』『自分にとっては魅力がないけど、あの人には喜んでもらえそうだ』との判断の基準になったので、皆の軸がぶれずに一貫した判断ができていったと思います。

 

もう一方の利用者のことも知る

『現状のHOME'Sでは満足する住まいを探すことができない方々』にお話を伺ったあと、プロジェクトメンバーと話し合いを進めていく中で、いくつかの方向性が見えてきました。

そのうちどれを選択するか判断する際に大切にしたことは『HOME'Sのもう一方の利用者』でした。

 

HOME'Sはいわゆるポータルサイトであって、弊社で所有している不動産を紹介するサービスではありません。HOME'Sに掲載されている物件は、不動産会社の方によって提供していただいている物件です。

なので、HOME'Sを運営している私たちにとっては、物件を提供いただいている不動産会社の方や物件を所有している方も、HOME'Sの利用者です。

このプロジェクトでは、不動産会社の方々や物件を所有している方々にもお話を伺い、気持ちや思いを知った上でプロジェクトの方向性を探っていきました。

 

お話を伺った際にやってよかったこと

お話を伺った際に気をつけたことや自然とそうなったことがいくつかあります。

基本的な注意項目については専門の書籍などでご覧いただけると思いますので、このプロジェクト内でのことをお伝えしようと思います。

  • プロジェクトメンバー全員が直接お話を伺う機会を設ける。
  • 話を伺ったメンバーが他のメンバーに直接内容を共有する。
  • 伺った内容を資料として残しておく。

話を伺いにいくメンバーはいつも同じということはないように気をつけていました。

そうすると、話を伺ったメンバーのところに他のメンバーが集まって『今回はこんな方だった?』との共有が自然と行われるようになりました。

その際に、みんなそれぞれ話をうかがった方がいるので「その話、自分が聞いた人も同じようなこと言ってた」など話がはずみ、自然と井戸端会議のような雰囲気で情報の共有ができたことはよかったなぁと思います。

そんな雰囲気で話を共有していると、大事なことが記録に残らない、そして忘れる、という悲しいことが起こってしまったので、エンパシーマップで記録し写真をとって後から見返したりできるようにしていました。

f:id:homes_designers:20150630140615p:plain

井戸端会議での情報共有で残した記録の一部。こういった情報は「どうやってドキュメントに残すか」が悩みどころ。

 

さいごに

このプロジェクトでは、定量的な調査にプラスして利用者の背景や状況を知ること、つまり定性的な調査にやや重点をおくことをしました。

利用者の背景や状況を知ることで、当初の目的であった『思い込みをなくしてしまおう』というところは充分にクリアし、今までの探し方とは異なる目線でのサービスになったと感じています。(具体的にどんなサービスかは社内都合で記載できないのですが、、、)

 

プラスして影響が大きかったなぁと思うところは、メンバーの向かっている方向性が自然にひとつになっていったというところだったと思います。

『こういう機能の方が良いのでは?』『もうちょっと〜なほうが良いと思う』といったような、利用者の背景を考慮した具体的なアイデアもでてきて、具体的な指標の存在は大きいなぁと感じました。

 

無事にリリースを終えてから、評価・改修のフェーズをなかなか進めないままでいますが、バージョンアップしていってまたこちらで報告できたらいいな、と思っています。

ではでは。