LIFULL Creators Blog

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楽天テクノロジーカンファレンス2013で「へやくる!」について発表しました

というわけで楽天テクノロジーカンファレンスの報告第2弾にして、私のメインミッション。ライトニングトークでの「へやくる!」発表です。しかしそこに至るまでの道のりについても書かなくてはと思うのです。

 

 

楽天テクノロジーカンファレンスに参加するのは去年に続いて2度目。子供の授業参観が終わってからかけつけたので、到着したのはカフェテリアが閉まる30分前。いそいで13Fにあがります。

 

メニューは2種類用意されており、そのなかからカラアゲを選択。副菜も二品ついて、普段の「コンビニ塩おにぎり一個」とはレベルの違う昼食を御馳走になりました。

 

この時点で既に楽天の方々のホスピタリティを実感することができます。エレベータホールに必ず案内の人がいるし、各エレベータにも黄色いTシャツを着た社員の方が。カフェテリアにも「何か困った人はいないかな?」といった雰囲気で社員の方が立っていてくれます。使用済みの食器を下げるところが少し離れているのですが、ちょっと聞けば丁寧に教えてくれる。

東京オリンピック実行委員会は、是非楽天テクノロジーカンファレンスに参加して「おもてなし」とは何かを実感すべきだと思う。(真顔)

 

さて、

 

先日書いたMatz氏の基調講演の次に聞いたのが"Innovate or Die"という題名で、楽天社内でどのようにイノベーションに取り組んでいるかの紹介。質疑応答が非常に盛り上がりました。過去の重要特許を見てみると、大企業からでているようだが?いや、そもそも大企業からイノベーションがでていないとは言っていない、とか様々なやりとりが続きます。質問しているのがEnglish Speakerばかりというのが少し残念でした。これは言語としての英語に対する壁がある、というだけの問題ではないように思います。

 

自分の出番前に聞いたのが"The approch of Big Sale in Japan Ichiba".平たく言えば

 

「突発的なトラフィック増とエンジニア達との果て無き戦い」

 

楽天スーパーセール、あるいはプロ野球での楽天優勝の際に、楽天のインフラがどのような試練にさらされ、どういう問題が生じたかを赤裸々に語ってくれます。なんでも最初のスーパーセールの際の反省点を活かすため、2度めは実運用環境で負荷試験を行ったとのこと。すごいなあ。自分たちの失敗事例とその対策をここまでオープンに語ってくれることに感動しました。

 

といったところでライトニングトークの時間が迫ってきます。発表者は前の方の一角に順番に座る。深呼吸をしていると

 

「英語でプレゼンする機会はありますか?」

 

と声をかけてもらえました。そうだなあ。英語でプレゼンしたのは去年のこのカンファレンスか..

自分で発表することのディメリットは、緊張のあまり自分より前の発表が耳に入らず、終わった後の開放感のあまり自分より後の発表が耳に入らないことです。従って他の方の発表についてここで書くことはできません。自分がしゃべったことの要旨を書いておきます。私のカタカナ英語では理解しがたいところも多々あったと思うので。使った動画も合わせて載せておきます。 

 

・ネクストの大坪といいます。今日は我々は開発したiPadアプリ「へやくる!」について話します。このアプリは不動産情報を検索するために設計されています。

 

・不動産情報検索アプリは、他にも何種類か存在しています。しかしほとんどのアプリでは情報とユーザの距離が長過ぎる。具体的にお見せしましょう。

 

・例えばあるアプリでは、起動してから最初の不動産情報を見るまでに10回も画面をタップする必要があります。いくらなんでも長すぎます。情報にたどり着くころには、ユーザは何を探していたか忘れてしまうかもしれません。

 

・「へやくる!」はこの点どうか?起動すると、使っている場所近くの不動産情報を表示します。ここからユーザは好きな様に検索結果を変更できる。例えば東京に住もうと思ったとして、(東京の住宅事情について詳しくないので)有名な東京の駅を設定してみましょう。東京、新宿、池袋、それに渋谷。(ここで結果がアップデートされる)

 

・なかなかいい結果です。しかし月に5万円以上は払えない。この条件を設定するためには、ドラッグ-ドロップして指をくるりと回す。たった2タップです。駅から10分以上歩きたくない?ドラッグ-ドロップしてタップ。同じく2タップ。このように「へやくる!」ではほとんどの場合1-2タップで条件を設定したり変更することができます。

 

 

・このように情報とユーザ間の距離が近いので、「極端なケース」を試してみたくなるかもしれません。例えば「お金持ちの生活を覗いてみたい」、と月の家賃を200万円に設定してみましょう。するとでてくるのは豪華ホテルのような写真です。

 

 

・ここで「間取り表示モード」に切り替えるとあることに気が付きます。高額物件の間取り図はほとんど英語で表記されている。理由はよくわかりませんが、もし豪華な家に住もうと思えば、まず英語を勉強する必要があるかもしれません。(注:これは最後までいれるかどうか躊躇したボケでした。笑ってもらえてほっとしました。実はこのあと「楽天社員が全員英語をしゃべる理由がわかったような気がします」というボケをいれようかと思ったのですが、さすがにそれは思いとどまりました)

 

 

・逆のケースではどうでしょう?東京に住みたいけど、月2万円以上は払えない、という場合でもちゃんと物件が見つかります。検索結果の写真を見ると、学生時代を思い出します。これは日本の昭和スタイルのアパートです。

 

 

・というわけで、もし引っ越ししようとかアパートを探そうと思っているなら是非このアプリをダウンロードして使ってみてください。引っ越しの計画など全くない、という方も是非使ってみてください。今日お見せしたように条件設定・変更がとても簡単にできるので、考えうる限り「一番変な」条件を試してはどうでしょう。結果にきっと驚くと思います。

 

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といったところで無事しゃべり終え、プレゼンを終えます。今回の制限時間は4分間で、時間がくるとドラがドシャーンとなる。私がプレゼンを終えたのは、ちょうどドラを鳴らそうとしたところだったようです。

 

英語でプレゼンするのは心理的にとてつもないプレッシャーですが、English Speakerの観客に聞いてもらえるというメリットがある。English Speakerの人たちはリアクションがはっきりしています。ドラッグ-ドロップしたところとか、東京中心で200万円の物件、2万円の物件を出したところで

 

「ををー」

 

という声が聞けたのは嬉しい限りでした。

 

ライトニングトークが終わると、楽天アワードの発表。その後は皆で13Fに移動しビアバッシュ。こちらはプレゼンが無事終わったのでご機嫌モード。何人かの方からプレゼンの感想を聞かせてもらったり、いろいろ興味深い議論ができました。

 

私は朝と夜が早い人なので、途中でおいとまします。出口付近に箱がいくつか置かれており、"Excellent",(真ん中忘れた)、"So So"と書かれています。今日使った名札の台紙を箱にいれることで、今日の感想を伝えられる仕組みとのこと。台紙をExcellentに入れるのに躊躇はありませんでした。

 

楽天は常に新しいことに取り組んでおり、それにはいろいろな意見があると思います。しかしこのカンファレンスで感じた「楽天社員のおもてなしの心」「エンジニア達の技術にかける情熱」は疑いようがない。もっと多くの人がこのカンファレンスに参加したり、発表したりしていろいろなことを考える切っ掛けになれば、と思いました。