Apple原理主義者の大坪です。
PinterestのiOSアプリが3.0にバージョンアップするにあたり、どのような検討がなされたかがPinterest Engineering Blog
Making Pinterest — Behind the Pins: Building Pinterest 3.0 for iOS
に公開されています。
iOS7公開後にどのような「バージョンアップ」を行ったかがわかり興味深いので、内容について紹介しつつあれこれ書ければと。
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Ver3.0を作るにあたって大きなポイントは以下の3点だったとのこと。
- UICollectionViewの採用とiOS5のサポート停止
- iOS7の新機能、View間Transitionの採用
- ジェスチャの見直し
まず一点目。私もUICollectionViewの概要を知った時には驚きましたが、その機能を使う為にはiOS5以前のサポートを諦めなくてはならない。これをどこで行うかは各社悩ましいところだと思います。
私の理解では2点目と3点目は関連しています。PinterestのiOSアプリには、複数の写真情報を提示している一覧画面と、その中の写真をタップした時に表示される詳細画面が存在している。
アプリの使用状況を調査したところ、多くのユーザが詳細画面を長い時間使っており、かつ別の詳細情報を観る時に、「戻る」ボタンで一覧に戻り、次の詳細情報を観る、という行動をしていることがわかったとのこと。
そのため
- 詳細画面から左右にスワイプして前後の詳細情報を閲覧できるようにした
- 一覧画面から詳細画面に遷移する際、そうした「左右へのスワイプ」が可能なことを示すため、一覧中の一つの写真が拡大して、詳細画面になるような遷移(iOS7から可能になった機能です)を採用した
とのこと。このように彼らはインタラクションフローの見直しと合わせてiOS7の新機能をとりいれ、結果としてユーザがより便利かつ直感的に使えるようにアプリを改善したのでしょう。
この「一覧画面」「詳細画面」の関連付けについては悩むことが多いです。作る側としては、きっぱり分けてその間を遷移させればよい、ということになるのですが、Pinsterestの解析結果に現れているように必ずしもそれはユーザの直感に合致しているわけではない。二つの異なる情報レベルをもった画面を登ったり降りたりするのではなく、直接同じレベル(例えば詳細画面)にある別の情報に移動できた方がうれしい。その点で、今回Pinterestが用いた方法は参考になる点が多いのではないでしょうか。
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最後に一点。「iOS7以降では動きのデザインがより重要になる」という主張をしている身としては、彼らが挙げている「改善点」の2、3点目がいずれも「動き」に関するものであることに興味を惹かれます。全体の操作フローを見る立場と、画面遷移の動きをコードで実現する立場双方が協力してできあがった新しいインタラクションではないかな、と想像するわけですが。