なぜホームズくんは変わることになったのか
はじめまして。プロモーションユニットの森です。
このホームズくんをご存知ですか?
もしかしたら、もう覚えている人も少ないかもしれませんね。
2007年から頑張ってくれていた茶色のコートにとんがり帽子のホームズくん。彼には社内からも社外からも愛してくれている人がたくさんいました。
イベントに出ればお子さんたちが沢山遊んでくれていましたし、不動産会社様には店頭ののぼりやぬいぐるみも置いていただきました。
SNSでの情報発信や、フォロワーとのコミュニケーション、旧ホームズスタジアムではVISSELの皆様、VISSELファンの皆様といっしょに沢山の時間を過ごさせていただきました。
そんなホームズくんも"HOME'S"と共に新たな挑戦、成長をしていく時期に入っていきました。私が入社した2011年の事でした。
この時、HOME'Sは賃貸・売買・分譲マンション・分譲一戸建てなどそれぞれの物件によって別々のサイトに分かれて、それぞれのお客様に最適なサイトづくりをする形から、全ての物件を1サイトに統合、賃貸も購入も比較しながらまとめて探せるサイトへと舵を切る段階にありました。
それに伴い、ブランドも1つになることを目指し、整理する流れに向かっていました。
どう変えるか
大きなサイトの中に散らばったホームズくんを差し替える作業はかなり手間がかかりますが、サイトの統合を考えると、ロゴの色との統一性の無さなどから見ても、何も変えないという方向性はありませんでした。
色を変える。形を変える。キャラクターをそもそも変える。
変える方向性は無限大にありました。
しかし、今まで愛してくれた人を大切にしようという想いから”ホームズくんがホームズくんであるまま”に今まで以上に愛されるように、かつHOME'Sのキャラクターだと認識しやすくなるように変えようという方向に議論は終着しました。
(加えて弊社は内製ですから、社内でさらに使いやすくという点もここには盛り込まれることになります。)
どうやって変えていくか
「ホームズくんがホームズくんであるまま」という制約をクリアするために、まずは”どこまでがホームズくんか”を定めることをしていきました。60体近くのキャラクターのラフを制作し、既存のホームズくんから形が遠いものを順番にずらっと並べ、社内の制作職で集まり“どこまでだったらホームズくんだと見えるか”意見を聞きました。
頭身が変わりすぎると、ちがう人物に見える、目に白目を描くのも違う。変更の幅は狭まっていきましたが、この段階でホームズくんらしさはどこにあるのかというのも見えてきた気がします。
ここからは、HOME'Sのカラーで衣装の配色や、帽子の形、虫眼鏡のサイズ、目鼻のサイズ・位置のバランスなどこまかなところを調整していきました。
この段階の制作には当時の広報宣伝の担当者や社内の制作職の方々にもたくさんご協力いただきましたし、弊社代表にも毎週のように時間をもらいました。時間はかかりましたが、ただキャラクターが変わる、新しくなるだけでは得られない、つくり上げる、育てるという意識・愛着がこの時間で作り上げられたように思います。
また、見た目という部分以外にこだわった点もありました。使いやすさです。
ネクストは内製で、このキャラクターを数十人の社員が使います。これまでのキャラクターでは、データの作り方の問題で、腕を動かしたり、表情を変えたりするのも一苦労でした。また、縦長のとんがり帽子もファーストビューや、スマホのアイコンを考えるとスペース的に無駄にする部分も多い上に、枠内に収めようとすると顔が小さくなってしまったりと、こちらも大きな問題でした。
そこで、まず誰でもポーズが変えられるようにデータの作りを修正し、簡単なポーズの改変であればOKということにしました。使用においての規制を多少緩めることで、社内でもキャラクターを積極的に使用することが増えました。
次に、高さの問題は、顔だけを正方形に収めた時に、アイデンティティである、虫眼鏡、帽子、顔が大きくうつることに重点を置き、デザインをしました。想定していたアイコンの使用に加え、Tシャツのワンポイントなどこちらも使用の幅が広がり、良い結果になったと思っています。
最後の決め手
見た目についても複数パターンを制作し、使い勝手も考慮し、それらの調整を繰り返す中で、最終的に3体に絞られました。
ぱっと見、どれがどう違うのかわからなくなるくらい、微妙な表情の違いしかありません。その中から1体を選ぶために、3体の性格をストーリー化して、決めていきました。
”このコはありがとうと言われた時にどんなふうに反応するだろう”
一人は恥ずかしそうに頬を赤らめそう。一人はニカッと笑いそう。一人は照れながらへへっと笑いそう。
そんな三人の性格と顔立ちを見て、これから一緒に働き、育てていく仲間を決めました。それがこのホームズくんに変わるまでの道のりです。
まだまだ見てくれている人には伝えきれていない部分ですが、これからもっとこのコがHOME'Sの顔として、多くの人の住まい探しのために働き、愛されるキャラクターになっていくよう、会社全体として育て、伝えていきたいと思います。