LIFULL Creators Blog

「株式会社LIFULL(ライフル)」の社員によるブログです。

「お仕事解体ワークショップ」でマネージャーの仕事を棚卸してみた

こんにちは。エンジニアの松尾です。

私がエンジニアチームのマネージャーになって1年が経過しました。日々の仕事に慣れてはきたのですが、徐々に部署内外で引き受けるタスクが増えてきたことで重要度が高いタスクの消化が難しくなってきていました。

そこで、LINE株式会社のブログで共有されていた下記の記事を参考に、ワークショップ形式で仕事の見える化と棚卸しに取り組みました。

引き継ぎのスムーズ化を図るため、LINE企画室が行った「お仕事解体ワークショップ」とは?

今回は「メンバーによる私の仕事の棚卸し」「上司の仕事の棚卸し」の両方に取り組んでみたので、する側/される側の両面についてまとめてみたいと思います。

やったこと

メンバーによる私の仕事の棚卸し

きっかけ

メンバーとの1on1で私とメンバーの仕事量のバランスについて話していたときに前述の記事が話題にあがり、「今持っている仕事をもっと引き継いでも良いのでは」という話になりました。ちょうど組織が変更されて新しいメンバーが私の部署に合流したタイミングでもあったため、自部署の仕事を洗い出す意図も込めてワークショップの開催を決めました。

仕事の洗い出し

マネージャーしか知らないこと、メンバーしか知らないこと、のように「自分が抱えこんでいるタスク」を積極的に付箋に書き出しました。各自の手が止まっていく中で私の付箋書き出しが淀みなく進む光景を見て、メンバーからは「そんなことやってたんですか…」という声もあがりました。

引き継ぎする項目の決定

書き出した後には付箋を色で分類します。今回は黄色をデフォルトとして「ほかの人にやってほしい(引き継げそう)」をオレンジに、承認作業のような「誰にも引き継げない」を青に変更しました。

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分類された私の仕事

次に、引き継げる可能性のあるタスクをうれしみ(引き継げるとうれしい)ムズみ(引き継ぐのは難しい)の2軸でマッピングしました。

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マッピングされた私の仕事

記載内容の詳細や不明点についてはメンバーからの質問に応じて説明していきました。

引き継ぎ内容の決定

マッピングの結果を見ながら、KPTのTryを決めるようなイメージで取り組みを決めていきます。例として下記のような対応がメンバーの意見で決まっていきました。

  • MTGのファシリテーション -> 特定メンバーに委譲/輪番制
  • 外部からの問い合わせ窓口 -> チケット発行と割り振りのしくみ作り
  • 手作業で行っていた運用作業 -> プログラムによる自動化
  • 各種ソースレビュー -> チームの階層を作って分散

解体されてみると「こんな簡単に引き継げるのに、なんで1人で抱えてたんだろう」という気持ちになります。

上司の仕事の棚卸し

きっかけ

私自身の手が空いたことで少し余力ができたので、そのぶん上司の仕事を巻き取ることもできるのではと思い立ちました。上司の立場の仕事を見ることでより高い視座を持って現状の仕事に取り組みたいという意図もありました。

ワークショップの内容

私を対象にしたときとほぼ同じ内容でしたが、「Google Jamboardではスペースの制限が厳しかった」というふりかえりを活かしてmiroを利用しました。

私の上司は組織のマネージャーでありエンジニア職のマネージャーでもあるため、部署以外でも採用や組織開発といった役割を担っています。そのため、タスクを洗い出したうえでまずカテゴリ(ロールに近いもの)を分類しました。

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分類された上司の仕事

これらを俯瞰し意識しつつ、うれしみ/ムズみマッピングに付箋を置いていきます。

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マッピングされた上司の仕事

採用や組織開発など引き継ぎの難しい仕事が多かったので、ムズみの強くないものを積極的に引き継ぐ(なくす)結果となりました。意外と単純な作業もあるので下記のような対応をしていく予定です。

  • 承認作業: 権限を委譲して代理できる人を明記
  • 自部署全体ミーティングの仕切り: 段取りをまとめて引き継ぎ
  • ルーチン、単純作業: リマインド設定、自動化

わかったこと

あくまでも弊社で実践してみた一事例ではありますが、私が体験した両方の立場で感じたことをまとめます。

解体される立場での気付き

🙅‍♂️ タスク量を客観的に見て管理できていない

自分のタスクの量を過去のピーク時と比較して調整しがちであることに気付きました。

本来はチーム内でのバランスや心の中でのうれしみも踏まえて割り振るべきなので、基礎的なことではありますが取り組み方を変えようと思います。実施前より人にタスクを渡す判断の材料が増えたと感じています。

🙆‍♂️ 意外と引き継ぎはWin-Winで着地できる

引き継ぎ先の仕事を増やしてしまうのが申し訳ないと思っていましたが、取り組み方と工夫によってプラスにもなることがわかりました。

たとえば私は朝会のファシリテーションを雑務ととらえて積極的に誰かに渡すことをしませんでした。ところがあるメンバーは「リモートで話す機会が減ったので、ほかの人に直接語りかける機会は貴重」ととらえて取り組んでくれているようです。

解体する立場での気付き

🙅‍♂️ 自分から見えないタスクは想定以上に多い

本人が「これは自分の仕事だから」と(悪く言うと)思考停止して外に出していないタスクがあり、チーム全体で見ると無駄につながっているケースが意外とあることに気付きました。

引き継ぎの可能性を自身で判断せずにまずは洗い出せるという点は、このワークショップの良さだと感じました。

️🙆‍♂️ 見えるようになっただけでも価値がある

権限やスキルの問題で引き継ぎが難しいことも多々あります。ですが現時点でのタスクをほかの人に割り振れなかったとしても、新しく増やさないように対策を練ることはできそうです。

また、メンバーが将来同じ立場になることも考えられるため、その仕事を事前に見て体感できるという点でも価値があると思います。

次やること

定期的に仕事を棚卸しする機会を設けることが重要だと感じました。特に組織が変更されるタイミングとの相性が良さそうですので、今後も折を見てワークショップを開催していきたいと思います。

一方でワークショップを高頻度で開催することは難しいです。朝会での共有やかんばんの活用などを個々人に任せ過ぎず、日ごろのタスクを正しく可視化していければと思います。

まとめ

仕事を渡すのが苦手な人はマネージャーに限らずたくさんいると思います。そんな人も今回紹介したワークショップのように、何らかの機会を作ってぜひ引き継ぎを検討してみてください。

ちなみに、私の仕事を解体するワークショップの企画と進行はまるっとメンバーがやってくれました。快く引き受けてくれたメンバーには感謝しています。

これによってさらに良いチームを作ろうと気持ちも引き締まったので、メンバーにも別の何かで還元していければと思います。