LIFULL Creators Blog

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部署横断でサービスの改修を進める「横断案件」

こんにちは。プロダクトエンジニアリング部の島村です。
今回は部署の垣根を超えてサービスの改修を進める「横断案件」の取り組みについて紹介します。

プロダクトエンジニアリング部の課題

プロダクトエンジニアリング部はLIFULL HOME'Sの開発を担当するエンジニアが集まった部署です。
LIFULL HOME'Sは「不動産・住宅情報の総合サービス」であり、多数の領域を扱っているため、それぞれの領域を扱うグループがそれぞれ存在します。

そのため、下記のような課題が存在していました。

  • 各グループは基本的にそれぞれの担当領域の開発に専念するため、担当外領域に影響が及ぶ改修は調整コスト、学習コストが高い
  • 部署ごとに個別の開発が行われるため、同じような仕組みを各部署で開発しているケースがあり、効率が悪い
  • 多数の領域を扱う巨大なサービスであるがゆえ、対応優先度が上がらずに放置された技術的負債が存在する

上記のようにプロダクトエンジニアリング部では、領域をまたぐ横断的な改修を進めにくいという課題がありました。
また、同じ仕組みを実装しているケースなど、技術的負債になりそうな課題についても早めに吸い上げ、対応可否含めて検討をする必要がありました。

横断案件WG

上記課題に対する対策のため、プロダクトエンジニアリング部では横断案件WGを発足しました。
このWGでの活動は主に下記です。

  • メンバーに起票してもらった「横断案件」の実施に関する協議
  • 実施中の「横断案件」の進捗確認
  • メンバーからは上がっていないが、WGとして「横断案件」として扱うべき課題に関する協議

横断案件WGでは各部署からメンバーを出し合い、横断案件を効率的に実施することを目的に活動しています。

横断案件の進め方

各部署のメンバーには、
「こんな取り組みを横断案件で進めてほしい!」
「これ技術的負債になりそう・・」
といった案件を事前にシートに記入してもらいます。

WGでは上記のシートを確認し、横断案件としての実施を協議します。

実施が決まった案件については、下記のステップで実施に向けて進めます。

  1. 実施することを決めた案件についてはWG内から担当者をアサイン
  2. その担当者が案件を具体化し、実際に案件を実施するメンバーを公募
  3. 実施するメンバーが無事見つかれば案件を進めてもらい、完了までWGがサポート

案件はメンバーに起票してもらったものがメインではありますが、WG内で「横断案件」として対応すべき重点項目を決め、その項目に関する案件を起票して進めることもあります。

活動の成果について

上記のような仕組みで今年1年活動し、下記のような実施結果となっています。

  • 起票された案件:32件
  • 実施した案件:23件
  • 実施完了した案件:11件

例えば下記のような案件がこの1年で実施されました。

  • プロダクトごとに別々のリソースを参照していた祝日情報をAPI化して共通化
  • 独自管理されていたアプリケーションを全社アプリケーション実行基盤「KEEL」に載せ替え
  • 複数領域のプロダクトで問題となっていたキャッシュ機構のバグの解消

この1年は同じようなデータを参照しているのに個別管理になっているようなものを共通化する、特定領域の問題でないため、組織的問題で優先度が上がっていなかった負債/バグの解消が案件としては多かったです。

横断案件の課題と展望

この「横断案件」の取り組みですが、現状ではまだまだ上手くいっているとは言えない仕組みだとは思います。

案件を進める上での主な課題は下記です。

  • 起票される案件がまだまだ少ない
  • 案件を実施する実施担当者が見つからない
  • 自部署案件との兼ね合いでどうしても優先度が劣後してしまう

特に実施担当者が見つからない問題は解決が難しく、担当者が決まらない場合には担当部署を決めた上で、部門長にアサインを委ねる等の試行錯誤もしてみたのですが、なかなか状況の改善には至っていない状況です。

仕組み的な面での難しさもあるため、全体的な仕組みの改善、インセンティブの強化等含め、今後改善を進めて参ります。

一方、しっかりと成果が出た案件も複数存在しており、特に若手のエンジニアが積極的に案件に挑戦してくれる姿は大変心強かったです。

このような案件をロールモデルとしつつ、彼らの利他の心に甘えすぎないような仕組みに仕上げ、LIFULL HOME'Sの開発に根付いた取り組みにしていければと思っています。

まとめ

今回は部署の垣根を超えてサービスの改修を進める「横断案件」について紹介しました。

横断案件WGで扱っている、調整コストの高い案件の対応や技術的負債への対応については、頭を悩ませる企業も多いのではないでしょうか。

LIFULLでは組織として優先度の高い課題は、専門チームの発足等で対応を進めているものの、どうしてもこぼれ落ちる課題は出てくるので、そうした課題にできるだけボトムアップで解決してゆければと考えています。

LIFULLではこのような課題解決にも興味がある、一緒に働く仲間を募集しています。よろしければこちらも合わせてご覧ください。

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