LIFULL Creators Blog

「株式会社LIFULL(ライフル)」の社員によるブログです。

エンジニア採用における人材要件を考え直す

エンジニアの松尾です。LIFULL HOME'Sの売買領域を支えるエンジニアチームのマネジメントを担当しています。

私の部署を始め、LIFULLでは複数の部門でエンジニア採用を行っています。人事部門の採用担当と現場で連携し、書類審査と複数回の面接により選考を行います。

今回はエンジニア採用を進める上で感じた課題とその解決への取り組みについて紹介したいと思います。

採用において抱えていたモヤモヤ

いくつかの書類審査と面接を終えて、日々似たような作業を繰り返しながらいくつかのモヤモヤを抱えていました。

モヤ1: 書類審査に時間がかかる

打率よりもまずは打数。より良い候補者様を見つけ出すために、できるだけ多くの書類に目を通すようにしています。ただしどの方も真剣に経歴を書いてくださっており、すべてに目を通すにはなかなか時間がかかります。

採用以外にもやるべき仕事は多くあります。書類審査に時間をかけすぎることで、ほかの業務の質を下げてしまうリスクもあります。

モヤ2: 面接の時間を有効に使えない

実際に候補者様と対面する面接は、時間を無駄にしないよう慎重に行います。しかし結果を出すためには聞き出したい情報が多くあり、すべてを質問しているとすぐに終了時刻になります。

事前に職務経歴書内の掘り下げたい箇所については確認しつつも、自分の中で要点が定まっていない状態でした。

モヤ3: 自分で評価した結果が腹に落ちない

全力で書類チェックと面接をした結果として、手元には多くの判断材料があります。ですが「この点は物足りないけど、この部分がすごく良いからOKにしようかなあ…」と評価ポイントや基準が定まっておらず、結論を出すのに時間がかかります。そしてほかの評価者とすり合わせると意見が割れ、合議での結果出しにまた時間を要します。

最終的には合議で正しい結論を出せていると思っていますが、個人での評価には不備があり、納得に至るまでのプロセスに時間がかかりすぎている状況でした。

取り組んだこと

何かもう少しうまくやれる方法を模索できないか…と人事や上司に相談しようかと考えていたときに、 下記リンクの記事を発見しました。

現場メンバーの知識を人材要件定義に活かす手法「Job Analysis」の紹介

参考文献をもとに選考プロセスの設計について記載されていますが、私の部署の採用では以下の2点がまだ不十分である印象を持ちました。

  1. 採用したい人の人材要件を定義する
  2. 人材要件のうち、見極めたい能力を特定する

そこで、ブログの内容を参考に求める人材の像を明らかにし、求人ページの応募資格を再設定するための取り組みを進めました。

業務上発生するタスクの洗い出し

採用したい人材とポジションが似たメンバーに協力してもらい、業務内でどのようなタスクを行っているかを洗い出しました。エンジニアにとっては設計、プログラミング、テストなどが主たる業務ですが、ほかの職種とのやりとりやメンバー育成など、タスクは多岐に渡ります。

私は比較的現場に近いポジションなのである程度は把握していましたが、あらためて眺めてみると気付きがあります。

  • 実装よりもレビューの比重が大きそう
  • 他のメンバーに何かを教えたり協力したりするタスクが多い
  • ネットワークやDBの設定をスクラッチで行う機会は少ない

求められている能力(コンピテンシー)の洗い出し

タスクとは別に、どのようなスキル/経験を求めているかを洗い出します。

言語、OSS、専門分野などのリファレンスとして、Qiitaの人気のタグを抽出して使用しました。これらからノイズを除去し、残った項目から現場で必要になり得る項目をまとめていきました。

弊社には新旧含めて多くのシステムが存在するため関わる技術は多く、項目全体で見るとなかなかの数になります。重要度の低いものはこのあとの工程で削ぎ落とされるため、現段階ではすべて含めておきます。

スコアリングと文章化

ブログの内容を参考に、タスクとコンピテンシーのそれぞれにスコアをつけていきます。頻度や重要度などの観点で点数を付け、それぞれに序列ができます。スコアリングはほかのマネージャーと相談しながらプランニングポーカーのような要領で進めました。

タスクとコンピテンシーの上位項目を突き合わせて、結果をもとに徹底的に議論します。

  • 「今いるメンバーの立ち回りを考慮すると、PJ管理経験は必須だね」
  • 「言語の具体的な知識より、設計力を優先したいですね」
  • 「〇〇は面接で質問してたけど、入社してから覚えるでも問題ないね」

というようなやりとりを経て、人材要件が新しく定義されました。結果として、応募資格に記載していたスキルを下記のように変更しています。

応募資格の変更
応募資格の変更

人材要件を見直して改善したこと

実際に現場で必要としているタスクや求めている能力を見つめ直すことで、以前とは違った人材要件ができました。洗い出しただけではなくそれぞれの優先度も確認したため、採用活動の中で候補者様を評価する順序や観点も違ってきます。

見直し前のモヤモヤと比較して、改善した点についてまとめます。

書類選考でチェックできる人数が増える

要件ごとの優先度が決まったことで、書類の中で確認する箇所が明確になり、チェックの所要時間が削減できました。優先度の高い要件を満たしていない場合は早めに候補から外したり、なんとなく魅力的に見えてしまうスキルに目移りしなくなったことで、書類選考の量と質の両方が改善したと感じています。

面接が時間内に完了しやすくなる

優先度の高い要件から早めに質問していくことで、面接内で過不足なくヒアリングを終えられることが多くなりました。要件ごとの重要度が頭に入っているおかげで、質問ごとにかける時間の判断がしやすくなります。また我々からの質問が手短に終えられることで、候補者様からの質問も多く受け付けられます。

評価時のすり合わせがスムーズになる

ターゲットとなる人材の像を文書化して認識を合わせたため、複数の評価者で議論して結論を出す場合にも意見が割れづらくなりました。「評価項目Aは文句なしですが、Bは満たしていないですよね」という項目ごとの評価に関する会話もしやすくなり、合否の理由付けも以前より明確になっています。

まとめ

採用活動は非常に重要な仕事ですが、本業務であるエンジニアリングと同時に進めるためには効率化が必須であると感じています。今回はスタート地点にあたる人材要件の作成に手間をかけることで、数ある書類選考や面接をスムーズに迷いなく進められるようになりました。

結果をすばやく正確に出せることは、採用をする我々だけではなく候補者様の転職活動のためにも有意義です。今後もより多くの方とお話をし、ともに働く仲間をみつけるために、妥協のない採用を続けていきたいと思います。

このように選考内容の改善も考えながら、一緒に働く仲間を募集してます。よろしければぜひこちらのページもご覧ください。

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