LIFULL Creators Blog

LIFULL Creators Blogとは、株式会社LIFULLの社員が記事を共有するブログです。自分の役立つ経験や知識を広めることで世界をもっとFULLにしていきます。

企画立案を通して考える開発生産性向上

エンジニアの内藤です。LIFULL HOME'Sの売買領域を支えるエンジニアチームのマネジメントを担当しています。

私の所属している部署は職能別組織となって3年程経ちます。 専門性を高め開発力を向上させることで、価値提供を最大化させる土台をしっかり作ることを目的としています。 新しい技術を取り入れやすくなったり、Pull Requestをマージするまでの時間をKPIとして計測・改善したりと組織として開発力向上の動きがしやすく、タスクの生産性の向上に一定の効果が出ています。

一方、職種混合で動いていたときより企画職やデザイナー職など他の職種との接点が少なくなったのも事実です。 また、この期間に新卒入社した社員はコロナ禍も重なり、他職種の業務がどういったものなのか実際に目で見る機会がない人もいます。 職能別組織であっても各職種間で連携して施策を進めています。 各種施策の質やスピードも高めるためには、仲間の業務について知っておくことが重要だと考えました。

そこで、「グループを超えたコミュニケーション」・「越境力 ~ 越境して企画を知ってみよう ~」というテーマを掲げ、企画立案を体験するワークを実施して他職種の業務を知ろうと試みました。

開催の工夫

時間がかかると想定されましたが「制限時間内でできるところまで」だと業務の一部までしか知れない懸念もあり最後まで通して体験できるよう工夫しました。

  1. 間隔をあけて3回に分けて実施
    各回のゴールを定め、ゴールまで進めなかった場合は次回までの宿題とする(その為の期間を設ける)
  2. グループワークで実施
    3人寄れば文殊の知恵ではないですが、普段一緒に働いてるチームのメンバーと相談しながら進めれば案も出やすいし調査なども分担できる
  3. 解決したい課題は予め割り当てておき、普段企画職が使っている企画書の細かい部分を省略した簡易版のテンプレートを用意する
    課題発見については対象外とし、主要な項目の立案を対象とする(企画の主となる業務を体感することにフォーカス)
  4. 企画職にもエンジニアがこのワークを実施していることを共有し、質問に回答してもらうなど協力を仰ぐ
    宿題を円滑に進められるようなフォロー体制を用意

1回目はブレスト的にアイデアを出してその中から効果が高そうに思われるいくつかに絞り込むことをゴールに1時間程で開催しました。 2回目は1日かけて企画の裏付けデータの確認やブラッシュアップ、成果見込みの算出を行いました。 3回目で作った企画内容の発表会を行ないました。

タイムテーブルの例

実施してみて

日頃からテクニカルスキルを活用して課題解決、価値を生み出すことを意識して開発しているメンバーも多く、結果として真剣に企画立案に取り組んでもらえました。

やはり、やり慣れていない業務だからなのか、エンジニアらしくロジカルな面に拘ってしまうのか、時間内にゴールまで達するグループは少なかったです。 しかし、各回の合間にはGAやamplitudeなどの解析ツール、Google Search Consoleや宅市場動向調査報告書のデータなど複数の情報・ツールを用い、多角的に解析・検証するなど次回のワークの準備はしっかり整えてくれました。

3回目の発表会では各グループとも企画職の体験ワークとして実施した企画案とは思えないほど裏付けに基づいた企画が発表されました。 質問に対しても「そこはこういうデータが根拠にあってそういう風にしています」など、細部まで作り込まれていて驚きました。 参加者の集中の仕方や発表内容を見て、テーマに掲げた「越境力」のベースとなる力は持っているなと感じました。

企画書の例
また、ワークの振り返りとして気付いたことの共有なども行ないました。 その中では下記のような意見が出ました。

  • ちゃんと仮説立ててファクトを集めて方向を定めていく大切さ
  • 新しい施策や機能については、データがないことが多いから根拠を示すことが難しい
    この類の施策に関してはある程度の裏付けが取れたら最速でリリースして反応を見る方が効率が良い
  • 数字の根拠出すのが大変
  • 企画書について、目的にたいして明確な数値目標を設定するのが難しかった
  • 工数とインパクトの兼ね合いをどうつけるかが難しい
    この検討には、エンジニアと話すと良さそう
    企画にエンジニアから働きかけたいことが見えてきた

企画の業務の何が大変なのか、どこが重要なのかなどある程度把握できてワークの目的は達成できたと思います。

振り返りの例

まとめ

企画の業務を知るという目的を達成できただけでなく、どのタイミングで企画に働きかければより円滑に連携できるかにも目を向けられた人がいるなど、目的以上の成果のあったワークだと感じています。

次のステップは、ここで知ったこと・気付いたことを忘れずに業務に活かして各種施策の質やスピードの向上につなげることです。 まだまだやるべきことはありますが、この経験を活かしてLIFULLのサービスの改善速度を加速していきたいと思います。

最後に、LIFULLではともに成長していける仲間を募集しています。詳細は募集求人やカジュアル面談のページをご覧ください。

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