LIFULL Creators Blog

LIFULL Creators Blogとは、株式会社LIFULLの社員が記事を共有するブログです。自分の役立つ経験や知識を広めることで世界をもっとFULLにしていきます。

LIFULL AI Hub 100ミニッツ #2 開催報告とお知らせ

グループデータ本部データサイエンスグループの嶋村です。

データサイエンスグループが主催でデータサイエンス系の自社イベント『LIFULL AI Hub 100 ミニッツ #2 「ファクトブック」』を開催しました。第1回目の『LIFULL AI Hub 100ミニッツ #1 「LLM(大規模言語モデル)の研究開発」』に引き続き、オフライン・オンラインともに盛況となり、今回も講演を聴講していて学びがありました。当日は、X(旧Twitter)でも実況しておりましたので、当日の様子が少しでも伝わればと思います。

主催のデータサイエンスグループはグループデータ本部配下の研究開発組織になります。グループデータ本部は、LIFULLグループで生まれる新たなデータを安全かつ効果的に活用できるようにし、事業の変化と持続的な成長を促進することを目指している組織です。その中で、データサイエンスグループは「活用価値のあるデータを創出」し、「データを活用した新たな機能やサービス」の研究開発に取り組んでいます。

今回のテーマである「ファクトブック」は、以前本ブログでも記載した「LIFULLファクトブックで目指す真のドメイン知識獲得」に関する発表となります。弊社LIFULLの事例だけではなく、先行してファクトブック活動を続けられている東北一円にドラッグストアを展開する薬王堂さまの事例に関する発表もありました。

第一部 トークセッション 「ファクトブック事例」

第一部では、まず、LIFULLデータサイエンスパートナである鹿内氏から企業における分析の実情や、ファクトブック活動の概要について説明がありました。

データの利活用に関する調査結果があり、その中で「特に課題・障壁はない」と回答している企業も多いが、本当にそうだろうか?という問いは大変興味深かったです。実は課題に気付けておらず、真のデータ利活用は進んでいない、という可能性もあると感じました。データサイエンスグループも様々な部署と連携して社内でのデータ利活用に向けた取り組みをすることがありますが、大小問わず課題は山積でまだまだ伸びしろがある状態なため、日々革進させていきたいです。

次に、LIFULLデータアナリストの羽賀と、薬王堂の西郷さまから、データを企業運営にどのように活かしているかについて講演がありました。

LIFULL羽賀からは社内で実施しているファクトブック活動の事例や、これまでの実績や課題に関する発表がありました。作成したファクトブックコンテンツに基づいて考察をする読み会の開催数は15回にわたり、のべ参加者数は約200名であることや、読み会での考察をもとに社内で新たな発想が生まれた事例が紹介されました。一方で、熱量ある参加者を継続的に確保するにはどうしたら良いか、という課題も提起されていました。

また、西郷さまからは薬王堂さまが提唱する薬王堂PBMA(Purchase Behavior Modification Analytics)が紹介され、その薬王堂PBMAの実現に向けてファクトブック活動が重要な取り組みであることが話されていました。初期の時点では数名で実施していたファクトブック活動も、営業メンバやインターンシップを交えて、徐々に拡大されている事例は、弊社でもとても参考になりました。

第二部 クロストーク パネルディスカッション

クロストークではファシリテータの鹿内氏と、登壇者である羽賀・西郷さまを交えて、ファクトブック活動をどのように発展させていくかというディスカッションがありました。

ファクトブック活動は読み会が重要ではありますが、ファクトブックコンテンツそのものが整っているのが大前提です。そのコンテンツで、どのような項目を、どのように見せるのか、試行錯誤の話がありました。たとえば、統計分野ではお馴染みの累積分布を見せるにしても、累積分布に馴染みのない参加者も居るため、丁寧に説明をしたりと工夫がありました。

ファクトブックコンテンツを作成していく上では、データが整備されていることも欠かせず、データクリーニングの重要性についても語られていました。データがバラバラで集約できていないケースや、データはあるがフォーマットがバラバラで分析しづらいケースなどもあるため、いかに使いやすいデータを作るかが鍵となることは間違いありません。

ファクトブック活動を発展させていく上では、キーマンが欠かせず、そのキーマンは誰なのかという問いは興味深く参考になりました。薬王堂さまでは、役職や年齢は関係なく、熱意があり行動を起こせる方を起用していました。薬王堂さまの場合、代表取締役である西郷さまのトップダウンのコミットメントに合わせて、熱量ある人材によるボトムアップのコミットメントが合わさることで、発展されていったと感じました。

ファクトブックコンテンツというアウトプットで満足するのではなく、アウトカムにつなげることが重要だ、というディスカッションもありました。確かにアウトプットだけをしていると、「これは何のための分析だろう」となってしまうことは往々にして起こりがちです。そのため、ファクトブック活動を通じてアウトカムにつなげるというイメージが共有できていると、地道な分析であっても意義が理解でき、また分析結果に基づいたネクストアクションも生まれやすいと感じます。

クロストークの最後に総括として、鹿内氏から、ファクトブック活動は「各職種の領域にまたがるデータについて、コミュニケーション(ディスカッション)をするきっかけになる」という話がありました。読み会を通じてデータについて相互理解を深めることで、データドリブンな文化の形成につながっていくと思うため、改めてファクトブック活動の重要性を再認識できました。

以上のようなディスカッションがあり、運営側の立場ではありましたが、聴講者の一人として大変興味深く学びになりました。今回の学びをLIFULLファクトブックでも活かしていきたいです。

おわりに

今回はデータサイエンス系の自社イベント「LIFULL AI Hub 100ミニッツ」の取り組みについて紹介しました。次回は第3回のイベントも企画しており、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

LIFULL Co., Ltd. - connpass

最後になりますが、データサイエンスグループでは「活用価値のあるデータを創出」し「データを活用した新たな機能やサービスの研究開発」を加速して下さるシニアデータサイエンティストを募集しています。また、今回のファクトブック活動を推進している羽賀の部署でも、データアナリストを募集しております。

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興味お持ちいただける方は、カジュアル面談も行っていますのでお気軽にご連絡ください。