LIFULL Creators Blog

LIFULL Creators Blogとは、株式会社LIFULLの社員が記事を共有するブログです。自分の役立つ経験や知識を広めることで世界をもっとFULLにしていきます。

エンジニアの新入社員オンボーディングチェックリスト: 2024年の取り組みをふりかえる

エンジニアの松尾と申します。LIFULL HOME'S で中古住宅売買領域の開発を担当するチームのマネージャーとして働いています。

2024年は新卒1名、中途1名の新入社員が自部署に仲間入りしました。今回はそれらの内容をふりかえり、LIFULLのオンボーディングの工夫や今後の伸びしろについて整理してみたいと思います。

エンジニアのオンボーディング

あらためてオンボーディングとは、新しく組織に加わったメンバーの職場への順応を促進することで、早期の戦力化を目指す取り組みです。

エンジニアとしては 開発環境/使用する言語/ドメイン知識/プロジェクト管理方法/ステークホルダー などを理解し、身につける必要があります。

私はLIFULLの魅力を多面的に知ってもらうことで、本人を取り巻く環境に安心を感じ、前向きに取り組んでいける流れを作りたいと考えています。

「採用の過程で伝えてきたLIFULLの魅力を、入社後に再認識してもらえるオンボーディング」について検討してみます。

企業の魅力因子

人が企業に感じる魅力を、下記の4点に分類します。

  • Philosophy(理念・方針)
  • Profession(活動・成長)
  • People(人材・風土)
  • Privilege(待遇・特権)

人によってどの要素を重視するかは異なりますが、採用の候補者や新入社員には漏れなく伝えていく必要があります。

ここからはオンボーディングにおいて行った取り組みをこれらに分類して整理し、不足がなかったかをふりかえります。

ふりかえり

取り組んだ内容は次回以降やほかのどなたでも活用できるように、チェックリスト風に10項目でまとめてみました。

⭐️ Philosophy(理念・方針)

1. 会社/上位部門/自部署のビジョンを自分のことばで伝える

LIFULLでは経営理念を頂点として、それを落とし込んだビジョンが組織ごとに存在します。「LIFULLエンジニア像」という「エンジニアとしてありたい姿」もインプットする必要があります。これらをどのように体現していくかを自分のことばで伝えます。

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ビジョンは半期ごとにふりかえり見直しているため、ふりかえりの場でほかのメンバーのビジョンへの想いも聞いてもらうことで、理念を腹落ちさせていきます。

2. 会社/上位部門/自部署の目標やミッションを伝える

組織の粒度に応じた目標や戦略があるため、会社の方向性を知ってもらう意図でそれぞれを伝える必要があります。社内でのKGIやKPIの定義やとらえ方も合わせて伝えていきます。

戦略については、弊社には「戦略DAY」という各部門が戦略を発表する場があるため、この内容を視聴して理解してもらいます。直接スピーカーに質問することもできますし、必要に応じて1on1などで補足します。

3. 自部署におけるルールやコミュニケーションのスタンスを伝える

下記のようなグループ内で決めているルールを共有します。

  • グループメンバーの大まかな役割
  • カレンダーに定例で入っている会議の説明
  • グループで出社する曜日、リモートワークのお作法

把握していなければ翌日から困ることが多いため、配属初日で必ず伝えるようにします。

🚀 Profession(活動・成長)

4. 開発環境の構築をサポートする

基本的にはドキュメントを参考に進めてもらいますが、ドキュメントのメンテナンス不足により「ここがうまく動きません…」が起こるため、専用のSlackチャンネルを作成して伴走します。

出社時は近くに座っていつでも質問を受けられるようにし、リモートでも声をかけやすいようにSlackのハドルに常駐します。チームで声を掛け合い、新メンバーが1人になる状況をできるだけ作らないようにします。

5. できるだけ早く初リリースをしてもらうサポートをする

チームの一員であることを「成果」によって感じてもらうため、軽めのバグ改修などをお願いして短期でリリースしてもらいます。周囲からの歓迎をあらためて伝えるために、リリース直後には「〇〇さんの初リリース完了しました!!!」と全体メンションで発言し、リアクションを集めるようにします。

「案件がない…」とその場で困らないために、普段からGood First Issueを整えておくことが大切だと感じます。

6. 成長曲線をイメージするための指針を作る

入社から1年間のマイルストーンを作成します。「1年後にこの領域の設計ができるようになってほしいです」「この時期にはこの規模の実装ができるようになっていると思います」という階段を作り、本人には具体の部分を埋めて目標設定に臨んでもらいます。

入社段階では、新しい環境で本人の能力が最大限発揮できるかは未知です。まずは焦らず順応してもらうため、活躍は期待していること/ただし直近での大きな成果は計算には入れていないことを伝えます。

🧑‍🧑‍🧒 People(人材・風土)

7. 自己紹介をし合う場を作る

自部署において、既存のメンバーと新メンバーがお互いに経歴や嗜好を語り、気になるところを質問し合う会を設けます。エンタメ好きなメンバーには「好きなYouTuberは?」、中途入社のメンバーには「前職のユニークな社内用語は?」など質問はさまざまです。

また、LIFULLでは4半期に1回の頻度で全エンジニアが集まる総会もあり、新入社員にはその場で自己紹介をしてもらう風土があります。

8. 業務上で関わりを持ちそうな組織/人と引き合わせる

新卒のメンバーには配属前の研修で関わった社員や同期がいますが、中途社員は相対的につながりが少ないです。今年はフロントエンドのメンバーを迎えたため、他部署のフロントエンドエンジニアやデザイナーのメンバーとのランチや飲みを調整しました。バックエンドの場合はインフラやアーキテクトの部門との連携を検討します。

一方で、START という、別の部署の先輩社員がメンターになる制度もあります。「万一上司の私に言いづらいことがあれば、さらに上司やSTARTのメンターに相談してね」と伝えるようにしています。

🎁 Privilege(待遇・特権)

9. 会社のルールや福利厚生を伝える

大枠は入社時にバックオフィスの社員から伝えられますが、評価制度の詳細や勤務ルールなどは必要に応じて伝えていきます。

社内には 多様な取り組み があり、上司である私が認識していないものもあります。本人に近い属性の人が「こういうのもあるよ」と伝えてくれるとありがたく、そのためにも前述のつながりを増やす取り組みは重要だと思います。

10. エンジニア職におけるルールや福利厚生を伝える

LIFULLには keelaiという社内のAIチャットボットエンジニアいつでも相談 というQ&Aフォーラムなど、利用すると効率的に/安心して開発を進められるしくみがあります。

また アクセシビリティに専門性を持つメンバーの1on1エンジニアキャリアクリニック のように本人の成長のために活用すべきものもあり、知らなければもったいない情報が多々あります。

LIFULLでは「入社の手引き」という社内ドキュメントに入社後知っておくべき情報をまとめているため、そちらの継続的な整備を行っていきます。

今後の伸びしろ

完了までのスケジューリング

早期の戦力化を期待しているとはいえ、一気に伝えるには多すぎる情報量だと思っています。

「今伝えないといけないか」を考慮して無理のないスケジュールを組みつつ、なるべく早く戦力になってもらえるように徐々に短縮していきたいと感じています。

周囲のメンバーとの分担

あらためて、これらを上司が1人で抱えるとたいへんだと思いました。

実際にチームメンバーが「Slackハドルに常駐しておくので、開発のフォローは任せてください」「他部署のあのメンバーもランチ誘えるけどどう?」と声をかけてくれて助かっています。

特に「Profession(活動・成長)」と「People(人材・風土)」の部分はチームの総員で行うのが望ましいと感じました。スケジューリングの段階で「誰がやるか」も決めておけば効率的かもしれません。

まとめ

2024年の自部署でのオンボーディングについてふりかえりました。今年の進め方が満点だったかというとそんなことはありませんが、2人とも元気で前向きに開発をすすめてくれていて何よりだと感じています。

これは偶然ですが、先日は他職種(プロダクトマネージャー)においてもオンボーディングの取り組みが共有されました。

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LIFULLでは職種を問わず新メンバーを大切にし、ともに成長していく文化があります。一緒に働く仲間を募集しています。よろしければこちらのページもご覧ください。

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