こんにちは!
LIFULLでユーザーファーストを推進しているチームに所属している木住野(きしの)です。
職種はQAEですが、ユーザーにとっての"あらゆる品質"をより良くするため、UXリサーチャーのメンバーと共にビジョン実現に向けて動いています。
2026年6月28日開催の RESEARCH Conference 2026 に参加してきたので、 カンファレンスの様子や刺さったセッションについてご紹介いたします。
会場の様子


今回響いた2つのキーワード
2026年のテーマは「WEAVING(織る)」でした。
年々リサーチに求められることは多様で高度になり、一つの専門性や視点だけでは抱えきれなくなっています。この状況において、私たちは異なる特徴をもつ人や役割を「織る」ことに可能性があると考えました。
そのため、リサーチに関わる人たちの関係性に着目するセッションが多かったです。
複数のセッションを聴いた中で、特に印象に残ったのが「共体験」と「風の人・土の人」という2つのキーワードでした。
どちらも、支援者として組織に伴走し、リサーチの価値を届けようとしている自分たちのチームに深く通じるテーマです。
特に印象に残っている3セッションをご紹介します。
共体験 - 一緒にやるから深くわかる
モンスト海外展開のリサーチ:「そのまま出さない」判断はどう生まれたか
登壇:島崎 顕北 氏・古藤 拓実 氏(株式会社MIXI)
島崎氏・古藤氏からは、モンストのグローバル版「STRIKE WORLD」の開発プロセスが語られました。
印象的だったのは、単なる翻訳ローカライズではなく「再構築」するという判断に至った経緯です。
14名の多様な立場のメンバーが現地に赴き、プレイテストを実施しました。
ここでのポイントは、リサーチャーだけが現地を見るのではなく、エンジニアやプロデューサーを含む全員で「その場の空気を共有する」ことを最優先にした設計だったという点です。
市場調査の数字からではなく、ともに体験したからこそ見えた発見がありました。たとえば「引っ張る動作が海外ユーザーには直感的に伝わらない」という想定外のインサイト。机上のデータ分析では到達しにくい気付きが、共体験によって生まれていたのです。
ステークホルダーと同じ体験をしたうえで目線を合わせながら開発へ反映していくプロセスは、「リサーチ結果をレポートで伝える」モデルとはまったく異なる説得力を持っていました。
「LOCAL RESEARCH LAB 中津川」の立ち上げと産学官横断での街のアクティベーション
登壇:牛丸 維人 氏(株式会社KESIKI)・吉澤 克哉 氏(東海旅客鉄道株式会社)
もう一つ「共体験」の力を感じたのが、JR東海グループ × KESIKI × 岐阜県中津川市による協働プロジェクトです。
旧中山道の宿場町というフィールドで、地域内外の多様な参加者を「ラボメンバー」として募集し、コ・フィールドリサーチ(共同でのフィールドリサーチ)を実施。人類学・デザイン・まちづくりの知見を横断的に応用した「共創」がプロジェクトの核になっていました。
このセッションで特に響いたのは、「ともにリサーチすることで深い理解が生まれ、仲間になることでアイデアの実装につながる」というメッセージです。
リサーチの成果物がレポートではなく「関係性」であり、その関係性が具体的なアクションを生み出す。実際に多数のコミュニティが生まれ、まちづくりを支える動きが創出されていたそうです。
風の人・土の人 - 組織にリサーチを根付かせる
組織にリサーチを根付かせる、技術よりも大切な「土着」の視点
登壇:福島 麻衣 氏(株式会社Muture)
福島氏のセッションでは、デザイン会社として外からインサイトを持ち込む立場と、中で組織に伴走する立場の両方を経験してきた知見が語られました。
ここで紹介されたメタファが「風の人」と「土の人」です。
- 風の人:異文化や革新的な技術を外部から導入する役割を担う存在
- 土の人:地域や組織の特性を深く理解し、基盤を整える存在
新しいものへの感度が鋭いリサーチャーは、往々にして「風」の役割を持ちます。しかし風は土壌を理解しないと、持続的な変化をもたらせません。リサーチの技術やメソッドの前に、その組織固有の文化や慣習を深く理解し尊重することが土台になるという主張でした。
土の人を理解することで得られるものとして、以下の3つが挙げられていました。
- 価値を感じてもらいやすい方法がわかる
- 風を吹かせるタイミングが見える
- 信頼が生まれる
セッションの後半では、実践しているパターン・ランゲージも紹介され、具体的な実践知として持ち帰れる内容でした。
まとめ - 自チームとの重なり
2つのテーマに通底していたのは、「関係性を築くことでリサーチの価値が生まれる」という考え方です。
私たちはインハウスのリサーチチームではありますが、横断部署として各事業部を支援する立場にいます。
つまり、新しいプロジェクトに入るときは「風」として入ることが多いです。
だからこそ、土の人を理解し、ともに体験するプロセスを丁寧に踏むことで、支援が一時的なもので終わらず組織に根付いていくことに繋がると思います。
またステークホルダーとのユーザー観察の共体験も実践している部分があるので重要性を再認識しました。
今回のカンファレンスで得た2つのキーワードは、自分たちのチームがこれから目指す方向をあらためて言語化してくれたように感じました。
明日からの支援の現場で、意識を変えて動いていこうと考えるきっかけになりました。
終わりに
今回 LIFULL はポスターセッションで登壇しました。
そのポスターの紹介は別記事で行う予定です。ご期待ください!
LIFULLでは共に成長できるような仲間を募っています。 よろしければこちらのページもご覧ください。