LIFULL Creators Blog

LIFULL Creators Blogとは、株式会社LIFULLの社員が記事を共有するブログです。自分の役立つ経験や知識を広めることで世界をもっとFULLにしていきます。

【参加レポ】プロダクトマネージャー・カンファレンス 2018へ参加しました [day2]

どうもみなさんこんにちは!まっつんといいます。

LIFULL HOME'S 賃貸事業部のWebディレクター兼プランナーです。 普段はサイトの分析や改善施策立案などの業務をしております。

チバさんがDay1の記事を投稿されたのに続き、僕もDay2のレポートを書かせていただきます! 各セッション内容ごとにスライド資料や参加者のコメントのリンクも貼りましたので、適宜ご覧ください。

「プロダクトマネージャー・カンファレンス 2018 - 愛されるプロダクトを創ろう」の参加レポート [ day2 ]です!

2018.pmconf.jp

※忙しい方は一番下の感想をお読みください!

セッション内容ごとのまとめ

[07-01] Welcome Talk 関 満徳 グロースエクスパートナーズ株式会社(ITコンサル会社)

このイベントのコンセプトになっている「愛されるプロダクトを作る」。 これについての解説でした。

「PMがプロダクトを愛しているのは当然だが、メンバーも関われてうれしい楽しい誇らしいという最高の状態に持っていく必要がある。」 「自分のやりたいことを関係者を巻き込んで作る。」

「そのために何を考えてどうしていくのかに触れていきたい。」

愛されるプロダクトは、愛されるゆえにいろんな人を巻き込める。 そういうものづくりこそ、あらゆるLIFEをFULLにできるわけですね~

[07-02] 巨大なFinTech事業開発におけるプロダクトマネジメント 甲斐 真一郎 株式会社FOLIO 代表取締役 CEO

最も印象に残っているのは、「PMとは一人一人がプチ社長である」という言葉。 かつてLINEは災害時のためにプロダクトをたった2週間で開発し、開発者が社長になりました。 社長になる気はなくても、社長になれる商品にできる可能性はあるので、 良い商品を作れるかどうかはPM次第ということです。

甲斐さんの経験で、関連する3つのサービスを同時に作る時の苦労が面白かったです。

  • 3つともKPIが 異なる
  • フロントとバックは共通リソース
  • インターフェースのデザインは統一しつつも機能は全く別

結果として、兼務が生じてリソースの取り合いになったり、要件の優先度が入れ替わったりと、 現場がかなり混乱したらしいです。

そこで見出した解決策が、先ほどの「一人一人がプチ社長」でした。 プロダクト境界の明確化と、そのための組織境界及びミッションの明確化によって、 それぞれが主体的かつ独立に最善を追求できるようになったのが、成果につながったそうです。

それぐらいの高い視座を持ってものづくりがしたいですね!

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[07-03] C向けアプリのPM経験者から見た、B2B Saasのプロダクトマネジメント 今井 義人 株式会社マネーフォワード MFクラウド経費本部 本部長 プロダクトオーナー

マネーフォワードのPMさんです。 この講演では、B2CとSaasのビジネスモデルにおけるPMの役割の違いについてお話いただきました。

Saasは色々な面でやりやすそうなことが分かりました。 Saasとは簡単にいうと、プロバイダ側のコンピューターでソフトウェアを立ち上げ、それをネットワーク経由で使わせてもらう仕組みのようです。 なるほど僕のような新人にはよく分からんですね。

Saasの良いところ(対BtoB)

  • 課金してもらえれば収益が入り続ける
  • 製作の傍らで営業が稼いでくれる。同時稼働。
  • 明らかな課題を1個1個確実につぶしていける

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[07-04] 気がついたらプロダクトマネージャーになっていた(仮) 塩出 晴海 Nature株式会社 代表取締役 CEO

ネイチャーリモという、スマホをリモコン代わりにできるIoT製品のPMさん。

そのネイチャーリモの開発ストーリーを説明していただきました。

その苦労話から学んだことは下記

  • プロダクト開発の過程において、失敗は避けられない。だからこそ、最悪のパターンを想定し、そのリスクを取れると判断したなら、失敗を恐れず進むべき。
  • 顧客の声を聴いて開発・改善を行う。
  • フレームワークを使わず、自分の頭で考えて判断する。
  • PJの成功が目的である以上、できることは何でもやる

塩出さんは数々の苦労を乗り越えて、常に顧客目線で良い製品を作った方です。 顧客のために何でもやる姿勢が大事なのだと思いました。

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[07-05] リクルートの横断組織で考えるプロダクトマネジメント(仮) 宮里 裕樹 株式会社リクルートコミュニケーションズ ICTソリューション局 アドバンスドプロダクト開発部 部長

PMが活躍する組織のお話でした。 PMの資質は下記4つに分かれており、それぞれに合わせた成長機会を持つことが大事とのことです。

  • ビジネスプロデュース
  • プロダクトマネジメント
  • プロダクトリード
  • ITディレクション

自分はどの資質があるのかなと思いました。

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[07-06] 顧客、会社、チームをHappyにするプロダクトマネジメント ~観点・プロセス・レバレッジ~ 山下 徹朗 楽天株式会社 Vice Senior Manager

プロダクト開発の成功へ導く観点とプロセスについてご教示いただきました。

以下の3つの本質的な問いを常に持ち、それぞれに担当者をつけてPMがリードする

 A.Business:会社にとってどんな意義を作るのか

 B.UX:どんな嬉しい経験、習慣にするのか

 C.Marketing:どんな風に惹きつけるのか

PMの仕事は常に本質を問い続けることだ、というお話が印象的でした。 その本質に基づいてチームをリードし、メンバーや会社の強みを最大限活かすことで、 よい製品づくりに繋がるのだろうと思いました。

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[07-07] Build Narrative in Product 池田 明啓 株式会社ドワンゴ サービス開発本部 副本部長

ユーザーストーリーを理解することの重要性をご教示いただきました。

  • PMとはプロダクトが社会貢献するまでのストーリーを構築する人であり、ユーザーが活用するストーリーを理解する人である。
  • ストーリーを理解できていないと、量でごまかそうとしてしまう。
  • その結果使われない機能が増えてしまう。

  • スターエンジニアに頼ってしまうと、抜けた際の学習コストがネックになる

  • ドワンゴにはプロダクト開発の7つのステップがあり、それぞれに責任者を置いて開発を進めている
  • ライブコーディングやライブシェアなど、学習をより手軽にする方法を導入

ドワンゴはプロダクト開発の手順が体系化されている印象を受けました。 ストーリーを組み立て、それに基づいて開発を行うケーススタディがプレゼン資料にまとめられているので、 是非ご覧ください!

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[07-09] The mindset of building the product that user will love Jasper WU 株式会社メルカリ UX consultant

PMのためのデザインシンキングのお話でした。

導入はubarと自転車の話です。 目的地に行こうとubarを利用したかったが、実は自転車の方が早かった。 この場合、自分にとっては、その目的地に早くいくことが大事だったことになります。

同じように、PMが考えなければならないのは、誰にために、何をするかということです。 そこでPMは下記3つのことを常に頭に置いておく必要があります。

1.Understanding  ユーザーを理解すること。ユーザーには次の4タイプあり、それぞれとの接点を持つことが大事  Targetユーザー:ターゲット  Indirectユーザー:直接のターゲットではないが、その周りに関係性を築ける人々  Extremeユーザー:製品が極端に愛され、または嫌われる理由を知ることがヒントになる  Descendantユーザー:未来に与える影響を考える

2.Teamwork  開発の過程を考え、多様なバックグラウンドを持つメンバーと話す

3.Fail fast  早く失敗することが最も早く勉強する方法。  アジャイルを回してとにかく失敗→改善を繰り返すこと。

WEBの仕事をしていると、なかなかユーザーの生の声に触れる機会がありません。 しかし、ユーザーの幸せを願って製品を作る以上、その声を聴く機会を作っていくことが重要だと思いました。 メルカリのように、ユーザーを集めて交流したり、イベントを開催したり。 うちの組織でもできることかと思います。

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[07-10] 北米・アジア・欧州のプロダクトマネジメントとスマートニュースのプロダクトマネジメント 宮田 善孝 スマートニュース株式会社 プロダクトマネージャ

スマートニュースではチームが遠隔で共同作業をするそうで、年に一回世界中の社員を集めてカンファレンスを行っています。 この講義では北米・アジア・欧州のPMの事例と、スマートニュースの事例をご紹介いただきました。

北米:General Assembly

  • 概念の紹介といった講義と、チームプレゼンとフィードバック。一般的。

アジア:Product management festival

  • カンファレンス方式。PMの責任と役割について。
  • プロダクトマネージャーVSシニアリーダーになることがあるが、それぞれの役割は下記。分担しよう。
  • PM→製品に責任を持ち、ヴァーチャルなチームを動かしていく。
  • SL→組織的チームを持ち、指揮命令だけでなくメンタリング等も行いチームのパフォーマンスを向上させる

欧米:Turning Fest

  • プロダクト開発の各機能とのつながりについて。
  • 良いチーム→AutonomyとAlignmentが高い状態。
  • Alignment:一つの目標に迎える状態。
  • Autonomy:個々のメンバーが高いパフォーマンスを発揮する状態。
  • PMの役割は目標を示すことであり、メンバーのやり方にいちいち口出しはしない

その後スマートニュースの事例をご紹介いただきましたが、その中で特に理想のチームのお話が興味深かったです。

  • PMの仕事はビジョンを設定することであり、メンバーに命令したりオーナーシップを取ることではない。
  • 立ち上げ時は何時間も議論し、認識を合わせるが、後は進捗確認を30分行う程度。
  • みんながファンクションごとに責任を持っていればアメーバ状に動く

AutonomyやAlignmentを高めるのがPMの仕事なのだと思いました。

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[07-11] 中国のプロダクトマネジメントのリアル 陈兆伟 (Chen Zhaowei) バイドゥ株式会社 プロダクトマネージャ

中国のプロダクトマネジメントは今どうなっているのかを共有いただきました。

大きな流れとして、アメリカに倣ったPMの育成やプロダクト開発から、自国向けに最適化するイノベーションが進んでいるようです。 アリババ、WeChatなどが最たる例ですね。 今や中国はスマホ普及率70%、利用者数は10億人。 中国でイノベーションが進んだ要因は2つあるようです。

1.貧富のギャップ 農村での4G回線が使えて、安くて速いサービスのニーズが極めて大きかったこと。

2.ITと各産業とのコラボ どこでも電子決済が可能で。病院の診断結果もスマホで確認できる。 新しいビジネスチャンスがどんどん生まれています。

また、中国のPMとアメリカのPMとの違いも面白かったです。 1.アメリカのPMは技術とMBAが必要ですが、中国のPMは社会のニーズとビジネスに詳しければ大丈夫。 2.アメリカは優秀なPMに権力を集中させるが、中国はPMの下にPMがついて細かくミッションを設定する。

お話を聞いていて、ビジネスチャンスのあるところにPMが必要になるのだと思いました。 ビジネスの機会を創っていくこと、そしてそこでニーズに応えられる商品開発力を持つこと。 それが日本のPMにおいても重要だと思いました。

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[07-12] Anycaにおけるプロダクトマネジメント 馬場 光 株式会社ディー・エヌ・エー オートモーティブ事業本部 Anyca事業責任者

PMに必要な能力についてお話しいただきました。 それは姿勢と責任に分けられる、下記の7つです。

姿勢

  1. リーダーシップ・パッション
  2. ユーザーへの誠実さ
  3. 目的思考

責任

  1. インサイト発見・目標設定
  2. 長期目線・プライオリティ
  3. 判断・説明
  4. コミュニケーション

これらについてエニカの事例をご紹介いただきました。

目標はぶれないように固めること、役割を分担すること、ユーザー接点を作ること、などなど。

興味深かったのは課題抽出のお話で、新機能がユーザーに使われなかったとき、どのようにクローズ判断をしたかということです。単に使われていないだけで切り捨てるのではなく、解決すべき課題が無いか、どこか別の場所で効果が出ていないか、など考えた末に判断するそうです。

機能を作ることより、無くす判断の方が難しいのだろうと思います。

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[07-13] [ワークショップ] 日本のプロダクトマネージャーは今何をすべきか

最後に参加者を巻き込んで、「なぜ愛されるプロダクトを作らなければいけないのか」をテーマに議論をしました。

ビジネスモデル的には以下の3つがあります。

  1. 顧客生涯価値LTVの増加
  2. 広告宣伝からSNSへの移行
  3. 顧客獲得コストの最小化

しかしそれら外向きな理由ばかりではありません。

  • まずはプロダクトを作る自分たちがそのプロダクトを愛すること
  • 愛されるプロダクトを作ることで、自分たちも幸せになるものづくりをすること
  • それにより、ものづくりが社会に幸せをもたらすものにすること

それが愛されるプロダクトを作る理由なのだと思います。

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参加してみた感想

入社して初めてPMという言葉を知った僕には、大変刺激的な内容でした。

スピーカーのみなさんのお話を聞いて、PMとして重要なのは下記事項だと思いました。

  • 常に目的を掲げ、本質を追い求めること
  • チームワークを築き、ビジョンを示し認識を合わせること
  • ユーザーとの接点を作り、ユーザーの声を聴いて開発をすること
  • ユーザーのストーリーを描き、真に求められるプロダクトを作ること
  • 成功のためには主体的に何でもやり、どんどん失敗すること

そして何より、PMとして最も大事なことは、

そのプロダクトを誰よりも愛すること

だと思いました。

誰かに愛されるプロダクトを作るためには、まず自分が愛せるものでなくてはならない。そんなプロダクトを、LIFULLというチームで作っていけたら、楽しいなと思います。