LIFULL Creators Blog

LIFULL Creators Blogとは、株式会社LIFULLの社員が記事を共有するブログです。自分の役立つ経験や知識を広めることで世界をもっとFULLにしていきます。

オンラインでの社内勉強会を真剣に考えた話

こんにちは。エンジニアの松尾です。普段はLIFULL HOME'Sの売買領域でエンジニアチームのマネジメントを担当しています。

私が所属している部署では定期的に登壇スタイルでの社内勉強会を開催しています。 直近の会を「社内勉強会をオンラインでいい感じに開催する」という点を念頭に開催したため、その構想からふりかえりまでをまとめます。

これからオンラインで勉強会を開催したいという方の参考になれば幸いです。

目的の設定

私の所属組織のエンジニアは「強い個人・最高のチームになることで、価値創造を加速させ続ける」という姿勢で日々の業務に取り組んでいます。このことばの前半部分を下記のように解釈し、勉強会の目的としました。

強い個人: エンジニアとしてのテクニカルスキルを向上させること
最高のチーム: チーム内のコミュニケーションを活性化させ、コラボレーションを生み出すこと

テクニカルスキル向上への影響の部分はテーマ選定・発表内容によって決まるところが大きく、今回の記事の本筋からは外れるため特に触れません。

運営の組織づくり

現組織での勉強会開催は3回目になります。当初はマネージャー主導のトップダウン形式でしたが、現在は有志のメンバー(新卒2、3年目のメンバーが大半)が主体となって運営をしています。

メンバーにはキックオフの際に前述の(割と大雑把な)目的を伝えていますが、実現方法や準備の進行はおまかせしています。

そのため、以降のお話は運営メンバーを見守っていた私が議論を思い出しながら整理した記録です。

実施形態の検討

勉強会当日は出社するのか

新型コロナウイルスへの対応状況は日々変化しています。

実は以前に企画した勉強会が土壇場でオンライン開催となったことがあり、その場でのふりかえりでは「参加者間でコミュニケーションがとれない」「次回は対面でやれたらいいね」という話をしていました。

とはいえ現状で一同に会することが難しいという状況が改善されるかは読めなかったため 「じゃあ最初からオンライン前提の勉強会を作ろう」という方向性にしました。

参加者間でコミュニケーションは取れるのか

社外での勉強会と比較して、今後も一緒に働いていく仲間としては「その場限りではない継続的な関係を作っていきたい」という思いが強く、実現のためにツール選定場作りの2点を中心に議論をしました。

ツール選定

当日だけではなく後日にも活発な議論が生まれることを期待して、要件に合うものを探しました。今回は下記の4つのツールを活用しました。

📞 オンライン通話: Zoom
  • 長時間繋いだままでも安定する
  • 後から/参加できなかった社員も見られるように録画ができる
  • 他のツールより部屋の分割(ブレイクアウト)が容易 ※結局使用せず
📩 登壇者への質問・参加者間の議論: Chatwork
  • 議論のログが残る ※Zoomの録画時にチャットログが出力できることを知らず
  • 事前に参加者に告知ができる
🗂 質疑のまとめ: Google Jamboard
  • 議論の要点や盛り上がりをわかりやすく表現できる
  • 複数人で編集ができる
📊 投票・アンケート: Google Form
  • スムーズにフォームの配布と集計が行える
  • 投票のログが残る

場作り

「質疑の短い時間では深い議論ができない」「登壇スタイルでは聴講者との間に距離ができる」という懸念があったため、オフ会という名称で、会が終わった後に別途セッションを設けることにしました。

登壇者に質疑で聞けなかったことやこぼれ話を聞くことを主目的に、ファシリを置かない・ご飯を食べていい という雑談ベースでの会話の場にしています。

開催当日

登壇発表

「LIFULL HOME'Sの実装の歴史から学ぶ『設計』」というテーマで3人のスピーカーが登壇しました。

自部署内外から人が集まり、常時50名程度が参加している状態でした。※出入りは自由

「CSSの設計」の発表
「CSSの設計」の発表

オフ会

20名程度が集まり、登壇時には語られなかったこぼれ話を聞くことができました。
※撮影しそこねたため写真は割愛

登壇時とオフ会の議論もあとから振り返られるように、質疑やコメントはチャット上だけではなくJamboardにもまとめています。

「現APIの設計」の議論の例
CTOが登壇した「現APIの設計」の議論の例

ふりかえり

参加者からのフィードバック

後日聴講者と登壇者の両方を対象にアンケートを取った結果から抜粋したコメントです。

  • 横の繋がりを強化する大変良い取り組みだと感じました
  • 顔出しはありのほうが発表はやりやすいですね!
  • 家の回線の問題が…。
  • オフ会はもうちょい人がばらけてくれるとよかったなーと思います(T_T)
  • オフ会参加はネタと時間の都合によりそうです!

スキルアップ・コミュニケーションの場として一定の評価は得つつも、オンライン特有の問題や会の運営上の課題が見つかりました。

オンライン開催のメリット・デメリット

前述のアンケート結果も踏まえて、開催してみて感じたメリットやデメリットをまとめます。

運営

🙆‍♂️ 準備の手間が少なく済む

場所取りや会場設営が不要で、事前準備にかかる手間はオフラインと比べて大きく削減できました。 またオンライン通話ツールの録画機能が使えれば、撮影がRecボタンひとつで完結するため非常に楽ができます。

🙅‍♂️ オンライン特有のオペレーションが発生する

  • 長時間/多人数で利用できる有料アカウントなどの確保
  • ビデオ撮影に関する事前アナウンス
  • 聴講マナーの周知(基本はミュート・反応は大げさに など)

今回は有料アカウントは取得済みであり、アナウンスは事前に段取りを決めて勉強会開始時に行いました。

登壇者

🙆‍♂️ リアルタイムでコメントが見える/聞ける

発表時間にゆとりがある場合は聴講者から複数のコメントを吸い上げるなど、うまく活用できれば柔軟な発表ができそうです。

🙅‍♂️ 発表に対する反応が見えづらい

ビデオOFFの参加者が多く、アイスブレイクや小ネタを挟んでテンポを掴むというところが難しいようでした。

Zoomであればリアクション機能を積極的に使用したり、ビデオをONにすることを推奨しておくことでもう少し改善できそうです。

また、登壇者のネットワーク環境が整っていないと場がグダグダになる可能性があるため、不安がある場合は事前対応を考えておく方が良さそうです。

聴講者

🙆‍♂️ 参加のハードルが低い

部屋のキャパシティが基本的にはないことと作業の片手間でも参加しやすいことがあり、気軽に参加できます。また資料や音声が手元で見られる/聞けるため、通常の勉強会より視聴しやすいという意見もありました。

🙅‍♂️ 対面での懇親会のような距離感は出すことは難しい

今回はオフ会というカジュアルな場を設けてみましたが、複数の議論を並列に進められないため、結局1対多の印象になってしまうのが難点でした。

まとめ

単に発表内容から学ぶ以上に発見の多い勉強会となりました。何より慣れないやり方に試行錯誤しつつも、事後アンケートでは多くのお褒めのことばを頂き一安心でした。

今の状況は逆にチャンスとも捉えられると思います。次回以降も毎回新しい工夫を取り入れながらスキルアップ・コミュニケーションを加速させていきたいと思います。