LIFULL Creators Blog

LIFULL Creators Blogとは、株式会社LIFULLの社員が記事を共有するブログです。自分の役立つ経験や知識を広めることで世界をもっとFULLにしていきます。

未経験分野へチャレンジしてくれるメンバーにマネジャーとしてどう接していくべきか

こんにちは! LIFULLエンジニアの吉永です。

普段はLIFULL HOME'SのtoC向けCRMチームにてエンジニアリングマネジャーをやっています。

マネジャーとなり、未経験分野へチャレンジしてくれるメンバーと接する機会が増えました。

自身が経験や知見のある分野であれば相談にのったりサポートはしやすいですが、未経験の分野となるとどのようにしてメンバーと接していくかは悩むことが多いと思います。

メンバーに「これお願い」と丸投げできると楽ですが、現実問題なかなか難しい場面も多いと思います。

マネジャーは自身がレビュアーになるか、レビュー対応できない場合は、他部署の有識者を募ってレビュアーやアドバイスをくれる人を確保する必要もあるでしょう。

本日はこんな悩みを抱えているマネジャーの方向けに、私なりにどんな風にメンバーと接したか、その結果どうだったかについて共有したいと思います。

アジェンダ

  • プレイングマネジャーとして意識していることと不安や悩みについて
  • 施策はどのようにして進行したか
  • 施策の結果はどうだったか
  • まとめ
  • 最後に

プレイングマネジャーとして意識していることと不安や悩みについて

意識していること

私はプレイヤー比重が少し多めのプレイングマネジャーをさせていただいておりまして、なるべく現場で自身の手も動かしていたいとは思っています。

一方、マネジャーに求められているのはチームとしての成果を最大化することですので、自身の手を動かすことが最適解ではない時はメンバーへ任せる、お願いすることも重要だと認識しています。

よって、プレイヤーとマネジャーとしてのバランスは常に意識しています。

どんな不安があったか

プレイヤーとマネジャーとしてのバランスを考慮しつつ立ち回っていくと、おのずとチーム内でこぼれ球となった施策を拾って対応するということも多くなります。

もしこのこぼれ球が自分で対応できないものだったらどうしよう?という漠然とした不安はありました。

どんな悩みがあったか

実際にメンバーにも未経験分野へチャレンジしてもらう機会も増えてきたことから、マネジャーは未経験分野の技術をどこまでキャッチアップしたらよいか?という悩みがありました。

どこまでキャッチアップすべきか?

メンバーで対応しきれない不測の事態が起きた際に自身で巻き取って対応ができる状態にまでキャッチアップできていることは理想だと思います。

ただ、自身の業務とマネジメント業務の傍らで詳細な部分までキャッチアップするのはなかなか大変です。

よってどこまでキャッチアップすべきか?についての線引きが非常に重要だと思います。

線引きはケースバイケースだと思うので、以降で紹介する機械学習を用いて物件をレコメンドするモデルを構築する施策をメンバーへお願いした際の話を通して、その施策でどこまでキャッチアップしたかを紹介します。

施策はどのようにして進行したか

お互い手探り状態で施策はスタート

メンバーも機械学習は未経験だったので、そもそもどこから手をつけようか?という状態で施策はスタートしました。

まずは二人で定期的にMTGを行い、お互いにインプットした情報を共有しあい、メモ書きにどんどんと追記していきました。

調査は分担しながら進行

機械学習にチャレンジしてみようというきっかけはBigQuery MLでした。 ※SQLでモデル構築が完結するので、学習用のデータをセレクトして各パラメータの調整を行うことでレコメンドモデルを簡単に構築できそうだという理由で選定。

メンバーにはBigQuery MLの詳細な利用方法の調査を、私は物件をレコメンドするモデルを構築する為にどんなデータを用意すればよいか?どんな手法で機械学習させたら良いか?を調査するように分担しました。

幸いBigQuery MLのチュートリアルではコンテンツをレコメンドするモデル構築の流れを公開してくれていました。

cloud.google.com

行列分解という手法を用いれば何かしらのレコメンドはできそうだというところまではスムーズに行きつき、ある程度具体的な実現までの道筋も見えました。

なお、その際にインプットした内容はQiitaの下記記事へアウトプット済みです。

qiita.com

方向性が決まった後は動作検証サイクルを回しながら進行

メンバーの方ではLIFULLが保有している各種データをBigQuery MLに学習させる手段も分かってきたところで、お互いの調査結果や知識をマージし、以降のモデル構築の為のSQL作成はメンバーに担当してもらいました。

私は作ってもらったSQLのレビューや学習させるデータの組み合わせのアイデアをメンバーに伝え、そのアイデアを実現する中間テーブル作成やSQLをくみ上げてもらい、レビューおよび動作検証をするというサイクルを回しながら開発は進行していきました。

最終的にキャッチアップはどの程度まで行ったか

私はBigQuery MLで構築した物件レコメンドモデルについてはある程度細部までキャッチアップできている状態でした。

ですが、BigQuery MLで他にどんなことができる?まではキャッチアップしきれておらず、あくまで今回の要件を満たす為に必要だった上流工程で得た知識止まりではあったと思います。

施策の結果はどうだったか

無事にリリース

無事にモデルは構築し終わり、ルールベースで構築された物件レコメンドとのABテストを行うことができました。

ABテストの結果は残念ながら優劣が付くほどの差はつかずでしたが、大幅に負けることがなかっただけでもある程度の収穫はあったと思いました。

リリース後の振り返り

リリース後、メンバー含めた振り返り会を実施しました。

次回以降での改善点から今回のテーマと関連していたものを一部抜粋して紹介します。

  • 今回は機械学習、BigQuery MLともに初挑戦だったのでひたすら自分たちでキャッチアップ、少々強引に実装してしまった感はあった。もっと社内の有識者に相談する。
  • 「何がわからないのかもわからない、何を質問すればよいのかもわからない」というフェーズを脱した段階で有識者へ早めに相談する。

まとめ

未経験分野へチャレンジしてくれるメンバーにマネジャーとしてどう接していくべきか?について、私なりにまとめました。

※まとめ部分に関しては、正直まだ私の中でも試行錯誤を今後も繰り返していく部分は多いと思っています。

※よって、適宜アップデートされる可能性は高いですが、あくまで現時点での私なりのまとめだと思っていただけますと幸いです。

メンバーと頻度高くコミュニケーションを取り、いつでも気軽に相談できる環境にする

メンバーと頻度高くコミュニケーションを取っていくことに合意が取れている前提ですが、メンバーが孤独感を感じないように、1日15分でもよいので施策についてコミュニケーションを取る時間を取った方が良いと思います。

特に試行錯誤している時期は、オフィスへ出社しているなら近い席に座って話しやすいようにする、リモートであれば定期的にSlackのハドルでコミュニケーションを取るなどが有効だったかなと思います。

メンバーや有識者と会話できる程度には未経験分野のキャッチアップを行っておく

今回の具体例だと「行列分解」や「BigQuery ML」の概要を他者へ説明できる程度にはキャッチアップしておいたことは、後工程でレビューや実装の一部を手伝ったりもできたので良かったと思っています。

でしゃばりすぎないように気を付ける

あくまで主役はメンバーであり、自身はサポートすることが役目だということは意識しておかないと、メンバーの成長の機会を奪ってしまうこともあるので注意が必要です。

チャレンジしてくれるメンバーへの敬意を持って接することが大切だと思います。

社内有識者へ相談できる経路はあらかじめ確保しておく

LIFULLには機械学習のエキスパートや、BigQuery MLを用いてモデルを構築しているスペシャリストの方がすでに在籍しています。

この人たちへ相談できるようにあらかじめ社内調整を進めておくことはマネジャーとしての責務だと思います。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。

最後に、LIFULLでは共に成長できるような仲間を募っています。

よろしければこちらのページもご覧ください。

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