こんにちは。 LIFULLのグループデータ本部データサイエンスグループ所属の岩﨑です。
私の所属するグループデータ本部データサイエンスグループは、LIFULLのデータを通じて事業の成長を促す研究開発を担う部門です。 『データ科学と研究開発の成果によってワクワクと喜びを生み出す』をビジョンとして掲げ、AI技術シーズの創出や活用によってデータの価値を最大化し、社会課題の解決に向けて日々革進をし続けています。
2024年2月24日に開催された「第86回 Machine Learning 15minutes! Hybrid」という機械学習関連のLTを行うイベントで登壇いたしました。 この記事ではそのイベントや登壇内容、感想などを書いていきます。
Machine Learning 15minutes!とは
machine-learning15minutes.connpass.com
「Machine Learning 15minutes!」は、「機械学習」について「15minutes以内」で語るLTを6~9人程度で行い、DeepLearningなどの先端的な事例、強化学習などの流行している技術、ビジネスへの応用例など、様々な角度から機械学習についての知見を広げ、LT終了後の懇親会でネットワーキングを行うイベントです。(上記ページより引用)
上に記載しているように、このイベントでは機械学習に関するLTを複数人で行います。その中でLIFULLからは、「LLMを用いた住まい探しにおけるユーザー価値観の推定」と題して、不動産業界でのLLMの研究・活用について共有・議論をしました。
同イベントはオンライン開催のみの時期もありましたが、私が登壇させていただいた第86回の前回からLIFULL AI Hubと協賛という形でLIFULL本社でハイブリット開催をしています。 なお、3/30に開催される次回第87回はミイダス社で、4/27(土)開催の次々回第88回は、再度弊社にてハイブリッド開催を予定しています。 私が感じたように第88回イベントも幅広い機械学習に関連する発表を聞いたり、専門の方と議論ができる機会となると思いますのでぜひ、会場へ足をお運びいただければと思います!
協賛させていただいていますLIFULL AI Hubは、機械学習やデータサイエンスに特化した知見や成果事例などを社内外に発信していくことを目的としたLIFULL主催のイベントとなります。 詳細はこちらをご覧ください。
発表内容
第86回の登壇者や発表内容は下記のページに記載されています。 発表は大きく3つのカテゴリに分けられており、各カテゴリの発表で機械学習分野の最新情報や社会実装例などの情報共有と議論が行われました。
machine-learning15minutes.connpass.com
生成AIの最新業界トレンド
- 発表1:【生成AI の未来】 14:05~
- 発表2:【ニュース、映画、ゲーム、AIアバターまで、動画と世界を生成する。第2の生成AIブームに備えよう】 14:20~
LLMプラットフォーム最新状況
- 発表3:【LLMOps with Azure Machine Learning prompt flow】 14:35~
- 発表4:【IBMの大規模言語モデルGraniteと生成AI Governance 機能のご紹介】 14:55~
- 発表5:【自社で70B LLMを事前学習からやって日本最高精度を達成した話】15:10~
AIディスラプティブ
- 発表6:【ドメイン知識を活用した、薬局における来局予測】 15:25~
- 発表7:【LLMを用いた住まい探しにおけるユーザ価値観の推定】 15:40~
- 発表8:【画像・動画・音楽・スピーチ生成AIの進歩】 15:55~
今後の生成AIについての議論(発表1)、LLM向けのプラットフォームの状況(発表3, 4)、日本最高精度を達成したLLM(発表5)など幅広い機械学習関連のお話を聞くことができました。 その中でLIFULLのデータサイエンスグループからは【LLMを用いた住まい探しにおけるユーザ価値観の推定】(発表7)と題して、不動産業界におけるLLMの活用に向けた研究の紹介をしました。
上記の発表資料はこちらからご覧ください。
LLMは大規模言語モデル(Large Language Model)と名のつく通り、言語モデルとしてチャットボットなどに利用されることが多い印象を受けます。 しかし、今回紹介した研究ではLLMを単なる言語モデルとしてではなく、ユーザ行動のシミュレーションに利用することでユーザの価値観を深く理解したクローン(デジタルクローン)を開発しています。 このデジタルクローンはユーザの価値観に合った物件推薦や、ユーザにより使いやすいUI/UXへの改善に役立てることができると考えています。
現時点ではまだ研究の初期段階ですが、少ないサンプル数においてはLLMを利用したデジタルクローンが人間と近い物件評価(二つの物件の相対評価)が可能なことを確認できています。下のスライドでは、デジタルクローン・人間双方の物件評価の方法とその精度について説明しています。
イベントに参加した感想
このイベントの感想を参加者、登壇者と目線を分けて書いていこうと思います。
まず参加者としては、幅広い機械学習に関連する発表を聞いたり、専門の方と議論ができるというとても有意義な場だったと感じます。 最先端の技術の話はもちろん、実際に社会実装されている技術・システムのお話などもとても興味深いものでした。 また、会場の雰囲気もあまり堅いものではなく、気軽に雑談や質問ができるとても良い環境でした。
次に登壇者としては、LIFULLのデータサイエンスグループで行っている自身の取り組みを紹介し、意見をいただける貴重な機会だったと感じています。 発表の中でコメント・質問をしてくださったり、その後の懇親会で内容について議論ができたりと、研究やプロダクトをより良い方向へ改善していくためのフィードバックをたくさんいただくことができました。
最後に
今後、さまざまな方と研究開発に関して、意見交換や情報共有を行えればと考えております。 この記事を通じてLIFULLの研究開発に関心をお持ちいただけた方は是非こちらからご連絡ください。