こんにちは!
LIFULLエンジニアの吉永、三宅、森です。
2023/11/15~16 東京ビックサイトにて開催されたGoogle Cloud Next Tokyo ’23に参加してきました。3人がそれぞれ現地で聴講したセッションの感想をメインに参加レポートを共有します。
アジェンダ
- セッションについて
- 所感
- まとめ
セッションについて
聴講したセッションの中から印象的だったものを抜粋してご紹介します。
day1 現場発!工場の生産材料を AI 予測で最適需要予測 & コスト削減
- 三菱重工業株式会社の工場で生産に利用している材料の需要予測を行いコスト削減につながった事例の紹介。
- 現場発から実施される改善系PJはLIFULL行動理念の部分で通じる部分があり非常に共感できた。
- ローカルで構築済みのDBをBigQueryにインポート、Vertex AIを活用した機械学習による需要予測モデルを構築。
- いくつかの失敗はあったが、精度は大幅に向上。月40時間の工数も10分程度に圧縮、廃棄コストも大幅にカットできた。
- まさにこれこそがデジタルトランスフォーメーションと言えるような改善を現場発で行い、Google Cloudがしっかり伴走してくれたという良い事例紹介だった。
day1 Jagu'e'r 小売分科会と考える 生成 AI 活用最前線!
- イオンリテール株式会社、株式会社すかいらーくホールディングス、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、フューチャーアーキテクト株式会社の共同発表で、小売における生成AIの代表的な利用シーンを企業毎に事例を紹介。
- 【1つだけ抜粋】株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは従業員向けの社内情報検索事例について紹介していた(まだ検証までの段階とのこと)
- セブンイレブンは教育マニュアルのファイル数が42個、3000ページあるとのこと。
- 検索機能はあったが、探したい情報に辿りつけないという課題があった。
- Vertex AI Search と Google Cloud Storageのみで実現可能とのことで、PoCで使う環境構築の動画が流され、説明しながらでも1分程度で環境構築が出来ていた。
- 企画から検証にかかった時間は1日、コーディング不要、金額も無料の範囲で可能だったとのこと。
- 必要な情報に辿り着く工数を減らせるのは非常に良い取り組みだと思った。また基調講演でも紹介があったがプロジェクトの内容確認以外に、分析に使う情報などもすぐに出てくるとさらに工数削減が見込めて良さそう。
day2 生成 AI による次世代のユーザー行動解析
- 株式会社プレイドの事例紹介セッション。ユーザーの行動ログの分析を生成AIに行わせる為に取り組んだ事例の紹介。
- LLMでユーザーの行動ログを非構造化データから、構造化データに変更。データ分析やレコメンドに活かしている。
- 標準のLLMだと一般的な知識に基づく分析になる。生成AIで良い体験を届けるにはエンタープライズデータを学習させ、標準の知識にドメイン知識を加えたLLMを使っていく必要がある。
- N1分析のような、従来は人間が時間をかけて行っていたものを、短時間でより精度高く分析ができるようになる可能性を感じた良い事例紹介だった。
day2 求人ボックスにおける Vertex AI Vector Search を利用したレコメンド
- 価格.comや食べログ、求人ボックスなどを運営する株式会社カカクコムで、求人ボックスでレコメンド機能を実装した時の事例紹介。
- Vertex AI Vector Searchを利用し、サイト内での行動データを元に利用者ごとにおすすめの求人を表示する機能を実現している。
- エンジニア向けにVertex AI Vector Searchを用いて開発する際の手順を実際のデータを例にTipsを交えて説明されており、レコメンドを作る時のイメージを掴むことができた。
- LIFULLとしてユーザーの行動データを元にサイト利用者ごとにおすすめの物件などを表示するレコメンド機能を実現するためのヒントを得られた。
所感
吉永
- 生成AIがらみのセッションが目立ち、この1年間で生成AI分野が目覚ましい発展を遂げてきたんだということを改めて実感。
- Duet AIのようなアシスタント機能を活用することで、スライドやドキュメントの作成効率を大幅に向上できそうな予感を感じた。
- Google Meetでもそう遠くない未来に双方向のリアルタイム翻訳字幕表示や、途中参加者向けのそれまでの議事録の要約を作成してくれる機能の提供を予定している。業務効率を向上することが期待できる。
- Vertex AIには色々なソリューションがある。少しづつでもいいから各ソリューションに触れておくことが大切。
- LIFULLでも株式会社プレイドのようにログの分析に生成AIを活用することで効率化&精度向上に取り組んでいきたい。エンタープライズデータを基盤モデルに学習させるアダプターチューニングにもチャレンジしていきたい。
三宅
- Duet AIによって仕事の進め方が変わる事が想像できた
- ミーティングの後追い機能や同時翻訳、議事録の自動化、資料作成サポート機能など
- 生成AIに任せられるところを常に探し続ける事が大事だと改めて感じた
- 契約次第ではあるが現状でも簡単にAIを使った機能開発が可能
- Duet AIによって仕事の進め方が変わる事が想像できた
森
- AIの利用が個人でも会社でも浸透してきており、活用する方法やその手段を考える機会が増えている。
- セッションを通してVertex AIやDuet AIなど様々なステークホルダーでAIを活用する手段が整ってきたことを実感し、これまで以上にAIを活用したサービスや利用を推進していくべきと感じた。
- ブレイクアウト セッションでは企業ごとに特色のある活用事例を知ることができ、LIFULLのサービスとしてどのようにAIを活用し発展させていくことができるのか、想像を膨らませる良い機会になった。
まとめ
Google Cloud Next Tokyo '23に参加して印象に残ったキーワードは「Vertex AI」、「Duet AI」、「生成AI」でした。
どのセッションの中でも多かれ少なかれ3つのキーワードには触れられていたことからも、今後Google Cloudが更に注力していく分野だと思います。
私達のチームでは今後、生成AIをより活用し作業効率を上げていけるようにアップデート情報は定期的にチェックしていこうと思います。
生成AIにまつわる最新情報に触れることができ、来年も参加したいなと思える良いイベントでした!※来年は横浜で2024/8/1~2に開催予定のようです。
最後に、LIFULLでは共に成長できるような仲間を募っています。
よろしければこちらのページもご覧ください。