プロダクトエンジニアリング3Uの二宮です。
LIFULLにはチームビルディングの制度があり、半年〜1年に一度、同じチームのメンバーで半日〜1日単位で交流の機会を設けています。内容も各部署内で決めることができ、多種多様な企画が行われています。クリエイターズブログでも、過去に「エンジニアのためのチームビルディング!コードで語れ 頭を使って 謎を解け」や「独自企画「浅草BINGO鬼ごっこ」でチームビルディングしてみた!」などが紹介されています。
LIFULLでは新型コロナウイルスの流行をきっかけにリモートワーク主体の働き方になっており、チームビルディングもリモートで行うようになり、自分たちのチームでもいろいろ苦慮しながら実施しました。おそらく他の会社の方もそうなのではないでしょうか?
そこで、この記事では私たちのチームではどう企画して、どう実施・今後に活かしていこうと考えたかをまとめました。ぜひ一つの知見として役立てて頂けると嬉しいです🙌
チームの現状と目的
我々のユニットでは、その中にあるグループ(下位チーム)が別々のプロダクトを担当していて、普段の業務での関わりは多くありません。ただ、現在は極端にチーム外とのコミュニケーションが薄くなり、サポートも得られづらい状態なのでなんとかしたいと考えていました。特徴的なエピソードとして、ある新卒に「直属の上司とは実際に会ったことがあるが、2つ上の上司とはネット越しでしか会話したことがない」とか「社内でもグループ外の知り合いがほとんどいない」と言われ、コミュニケーションのやり方や密度が以前と大きく違うことにショックを受けたことがあります。
9月にもチームビルディングを実施したのですが、その時は都合によって限られた時間で自己紹介と簡単なゲームをすることしかできませんでした。また、それからメンバーの入れ替わりもあって、はじめましての人も何人かいました。
ユニット全体では11人在籍していて、各グループは次のようなプロダクトを見ています。
同一プロダクトを見ているチームほど密に連携する必要はないが、各々小さなプロダクトを見ているので悩み事の相談などはできるはずだと考え、以下のゴールと方向性に決めました。
- ゴール: 普段からグループ間で相談(実装面、スキル面など)ができるような信頼関係が作られている
- 方向性: 相談や意見を交わしながら「一緒に共通のゴールを目指す」ようなアクティビティを実施する
実施準備
結果として、1日を使って、次のようなアクティビティを実施することになりました。
- アイスブレイク: 共通点探しゲーム
- メインコンテンツ: オンラインリアル脱出ゲーム×サマーウォーズ「AIによる世界支配からの脱出」
- オンライン懇親会
まずアイスブレイクとして自己紹介を兼ねたゲームを行い、次にいくつかのチームに分かれて、「一緒に共通のゴールを目指す」ことのできるオンラインリアル脱出ゲームを実施しました。
「AIによる世界支配からの脱出」を選んだのは、他のチームから「以前やってみてプログラマー向けな内容で面白かった」という評判を聞いたことが一番の要因です。また、運営チームで他のゲームやコンテンツもできるだけ探して検討したのですが、オンラインで11人が一緒にできるものが見つからなったという理由もあります。
また、懇親会ではフードデリバリーサービスのnonpiを利用しました。今までは、各々が別々に用意するやり方だったのですが、「オフラインの懇親会と同じく同じメニューのものを食べればチームの一体感にもつながるんじゃないか」と「食事の準備をなくして気楽に楽しめるようにしよう」ということを期待して試してみました。
当日の様子
①アイスブレイク
アイスブレイクで行った「共通点探しゲーム」は次のようなものです。『リモートワークでの相互理解を深める(共通点探しゲーム)』という記事から引用させていただきます。
「共通点探しゲーム」とは、その名の通り、制限時間内に対話を通してグループの仲間と共通点を見つけるゲームです。またコミュニケーション能力で重要な共通点を探す力を養うことができるグループワークでもあります。ゲームの目的は共通点を知ることではなく、内容を伝え合うことで、一体感を感じて相手の特徴をより知ることを目的としています。結果としてチームの協力(コラボレーション)を生まれやすくし、相互に助け合える環境を築くことを目標とした、チームビルディングのための一つの手段でもあります。
今回は「脱出ゲームを行うチームに分かれ、20分で『意外な共通点』を見つけよう」という形式で実施しました。
とあるチームは、途中で読書が共通してそうだと気づき、そこから本の共通点を探したところ全員がミステリ小説が好きということがわかり、チーム内でミステリ小説の話をしていたそうです。
運営側は「せっかく自己紹介をするなら、ゲームにしたほうが楽しくない?」という軽い理由だったのですが、後述するように、後日実施したアンケートでは予想以上に評判がよく驚きました。
②メインコンテンツ: オンラインリアル脱出ゲーム
メインコンテンツのオンラインリアル脱出ゲームは、うまく裏をついて問題を解いていくような内容で、前評判の通りたしかにエンジニア向けだったように思います。
ただ、どこまで解答をメンバー間で共有していいか分からなくて困惑したチームがあったり、完答するまでの時間がチームごとにバラツキが大きかったりして、運営側としてはもう少しうまくファシリテーションできたんじゃないかと反省点はありました。
③オンライン懇親会
オンライン懇親会では、nonpiのフードとお酒を楽しみながら、ボードゲームアリーナで遊びました。自分たちは他のオンライン懇親会でもボードゲームアリーナを利用していて、特に「イラストリー」が恒例になりつつあります。これはイラストにこじつけて言葉を考える"しりとり"で、「よくこれ思いついたね」とか「いやこれは無理やりでしょ」とか会話も盛り上がるゲームです。
結果・振り返り
最後に、次回の実施内容やチームのあり方に活かせることが無いか、後日アンケートを取って振り返りを行いました。
メインコンテンツでは、楽しかったという意見は多かったものの、次のような課題も挙げられ「一緒に共通のゴールを目指す」というところから外れてしまっていた部分もあったようです。
- 解くことに集中して無言になってしまった
- どこまで解答をやり取りしていいか分からなかった
- 一部メンバーが解きまくって後からついていくことが多かった
この辺りは運営に課題があったように思います。次回は次のように対処しようと考えています。
- 「積極的に話し合ってほしい」みたいに期待することを明確に案内する
- 他の脱出ゲームの中には人の案内役がいるものや、「AさんとBさんが別々の問題を解かなければ脱出できない」というコンテンツもある。それらを検討してもいいかも
また、運営側の予想からは外れ、「共通点探しゲーム」の評判が良かったことです。「コミュニケーションが取れて良かった」という意見が多くありました。
おそらくリモート以前の時代より、我々が思っていた以上に「普段の雑談」とか「同じ開発チーム外の会話の機会」が減っていて、特に新規メンバーは他の人の人となりを知る機会が減っているからなんじゃないかと推測しています。こういうような「ゲームをしながら楽しくお互いを知る」のは他のチームでも需要が大きいのかもしれません。
フードデリバリーはやはり準備の手間が省ける点や、「どのメニュー選んだ?」というような話題で話が生まれる点が喜ばれていました。実は運営メンバーが共通している全社のイベントでもフードデリバリーを利用されるようです。ただ、飲み会向けのメニューが多いので、事情があって飲めない人はメニュー選びに困っていたようでした。
また懇親会では「同時に1人しかしゃべれないので会話に困る」という回答が複数あり、もっと積極的にブレイクアウトセッションを利用し、話題のためにコンテンツを用意して…というように、オフラインより事前の準備が必要な印象があります。また、他の社内イベントで使われていたoViceやGatherなどのツールも検討してもいいのかもしれません。
このチームの個別の話でいうと、総じて「共通のゴールを目指そう」というよりは、まずは相互理解を目指すような内容がよかったんじゃないかと思います。例えば、他のチームで行われていた中では「カラーバリューカード」や「アンガーマネジメントゲーム」などがそういった選択肢になりそうだと思っています。
まとめ
他のチームでも共通するような知見をまとめると、次のようなものがあるかなと思います。
- 「共通点探しゲーム」のように、楽しく自己開示するゲームは、リモート時代のコミュニケーション不足の補完にいいのかもしれない
- コミュニケーションがスムーズに行われるように準備が大事だ。特にファシリテーション方法や部屋分けはもっと工夫の余地がありそうだ
- フードデリバリーは各々の準備の手間が省けるのが嬉しい
また、今の所はユニット内でチャットでの会話が多少は生まれてきて、チームビルディングがそのきっかけにはなっていると思うものの、「普段からグループ間で相談(実装面、スキル面など)ができるような信頼関係が作られている」というゴールを見返すとまだまだな点も多いと感じています。チームビルディング以外でも、普段からどうコミュニケーションを取ればいいのか試行錯誤が必要そうです。
そして、企画時からオンラインでの交流の難しさは感じていたのですが、企画メンバー以外からも「やっぱりオフラインのほうが仲良くなれそう。今はムリだが、コロナが収束したら、せめてチームビルディングのときは集まりたい」という意見も出ました。
オンライン主体のチームのあり方は難しいですが、試行錯誤しながらがんばっていきましょう🙌
最後になりますが、LIFULLでは一緒に働く仲間を募集しております。もし興味を持っていただけたら、募集求人やカジュアル面談のページもご覧ください。