LIFULL Creators Blog

「株式会社LIFULL(ライフル)」の社員によるブログです。

AWS JumpStart に参加してきました

はじめに

エンジニア二年目、寺井です。
先日行われた AWS JumpStart というAWS初学者向けイベントに参加した際のレポート記事になります。

■ イベント概要

AWS JumpStart はAWS初学者のエンジニアの方々を対象とした、実践的な研修プログラムです

将来的にAWS活用をリードする人材になるための第一歩をスムーズに踏み出せるようなプログラムをご提供します
単なるAWSサービスの学習だけでなく、要件に合わせて適切なアーキテクチャを検討・設計する経験を積む部分にフォーカスした内容となっております

例えば、以下のような方々にもオススメです!
・AWSの名前は知ってるが使ったことは無い
・EC2等の単体サービスは触ったことあるが、全体のアーキテクティングは経験がない
・クラウドネイティブなアプリケーションを設計する上で重要な観点を知りたい

例によって初心者エンジニア向けな記事となっておりますよろしくお願いします。

この記事が参考になりそうなレベル感

AWS未経験 ~ AWSチョットワカル なエンジニアのみなさん
後述しますが、AWSを全く触ったことがなかったり、エンジニア関連の技術を何も触ったことがないという方にはかなりキツめなイベントでした。内容についてもレポートをしていきますので、参加してみたいけど今の自分のレベルでは不安...という方もぜひ読んでレベル感を察していただけたらと思います。

全体のスケジュール

完全オンラインでのスケジュールです。画像だと文字が潰れてしまっているかもしれませんが、朝9時から夕方6時までぎっしりと詰まった内容ということが伝わると幸いです。 朝9時集合はキツかったです。

1日目前半 ~グループワークではじめまして~

まずは全体説明とウォーミングアップを兼ねたチャットでの自己紹介がありました。内容を見ていると職種はけっこう様々なエンジニア職が集まっていて、年齢層は幅広め、ただAWSサービスを利用した経験があまりないと言った人が多かったです。社会人向けのイベントでしたが、インターンをしている学生さんもいました。参加者は全体で80名程度、サポートをしてくれるAWSの方が3名でした。
その後は簡単なAWSサービスの紹介LTがありましたが、事前学習用動画として一時間程度の入門動画を観るよう指示があったので、その内容の復習になります。
そして二日間の日程を通じて行われるアーキテクチャ設計のお題を出されました。お題はこちら、

グループワークお題
こんな要件を満たすサービスのアーキテクチャ設計をしてくれというお題ですね。納期は翌日です。ちなみにこのお題を出される際にちょっとしたシナリオも一緒に用意されていたのですが、要約すると「ブラック企業に就職してしまった新人エンジニアの俺たちが、入社二日で会社の命運を握るサービスのアーキテクチャ設計を任された件」って感じです。気になった方はぜひ参加してみてください。

その後、各チームに分かれてグループワークが始まりました。 私と一緒のチームになったのは全員同じくらいのエンジニアレベルで、バックボーンは様々だったのですが全員がエンジニア歴1〜2年のグループでした(他のチームもいくつか見ましたがレベル感としてはほとんどの人が同じくらいだと思います。たまに初心者か...?って感じの強そうな人がいたような気もしますが)。 お互いはじめましてでしたが、全員が同じくらいの初学者ということもあり特に緊張することもなくグループワークに入っていくことができました。

さて、今回のように初心者エンジニアが集まると「誰も正解がわからない」、「何をどうしたらいいのかが全くわからない」という状況になりがちです。 そんな時でも安心なのが、グループワーク全体日程を通じて三回、オフィスアワーというAWSの人に直接相談できる機会が設けられていたことです。 初回の相談時はどうしたらいいのかが全くわからず、設計図もそれっぽいものを並べただけという悲惨な状況でしたが、「この要件を満たすためには例えばこういった機能が必要そうで、これを調べてみるといいかも」といったアドバイスをいただくことができ、無事に軌道に乗るところまで持っていくことができました。

少しでも知見のある分野ではそれぞれが積極的に意見を出すといったチームワークも発揮しつつ、それっぽい設計図ができてきたところで初日のグループワークの時間が終了。作業時間は三時間ほどあったはずですが、一瞬で過ぎ去っていった印象です。普段の業務もこれくらいの速さで時間過ぎればいいのに。

1日目後半 ~スケーラブルなWebアプリを作るハンズオン~

1日目後半はグループワークを中断して、実際にAWSサービスを使ったハンズオンを行いました。
内容としては、「複数のアベイラビリティーゾーンを作成、それぞれのパブリックサブネットにECSとFargateタスクを設定してELBを接続、最後にそれぞれのプライベートサブネットにRDSをリーダーとプルレプリカ1台ずつ起動」というものです。図にすると以下のような設計になります。

ハンズオン完成図

ここまで書いてある意味がよくわからないといった方には中々やりごたえのある内容だったのではないでしょうか。とはいえ丁寧な解説手順書があり、わからない人向けに個別フォローまでやってくれるので迷子になってしまうといったこともなく安心です。

一方で、ここまで書いてある意味がそれなりにわかる方には正直あまり効果の無い内容だと感じました。リソースの作成や設定まで全て手順書に細かく書いてあるので自分で特に設計等を考える必要もなく、あーこの設定ね、とポチポチするだけで完成してしまいます。また、基本的にそれ以上突っ込んだ内容は取り扱わず、AWSの方々も途中の設定で詰まってしまった方のフォローにずっと回っていたので、早く終わってしまった人は各々好きなことをしていてください状態でした。その間に設計の課題を考えることができたのでありがたかったのですが、私にとってはこのハンズオンではあまり得られるものがなかったかなと感じます(理屈はわかっていても実際に自分の手で一から作成した経験は無かったので学びになったといえばそうかもしれませんが)。
という内容を最後のアンケートで書いたのでもしかしたらこの後の回では内容が変わっているかもしれません。

2日目 ~グループワーク追い込み編~

たった二日間の日程ですが、納期が目前に迫っている(という設定)ので朝からグループワークの続きです。 着々と要件を満たした設計を実装しつつ、オフィスアワーの質問も活用して一通り設計が完成してきました。 初日はボロボロだった設計もこの段階になるとさらなるブラッシュアップのために機能を追加するといったフェーズになってきます。

そんなこんなで出来上がった最終的な成果物はこちら。

アーキテクチャ設計完成図

オ ー ル サ ー バ レ ス にしました。やはりサーバレス...サーバレスは全てを解決する...!ちなみに発表会では全部サーバレスだと...!?みたいな感じでちょっとざわついていました。
※この設計図で全要件が担保されているのかと、そもそもこの構成で動くWebサービスができるのかは未検証です。もし何か不備に気付いてしまったベテランのみなさまは寛大な心でスルーしてください。

この構成に仕上げるまでの流れとしては、

  • チャット機能でリアルタイム性を実現するためにWebSocketをAPI Gatewayで実装
  • API Gatewayの後ろにつける実行部分としてはメンバーが使用経験があって、かつスケーリングできてAZ等の設定も考える必要のないLambdaで実装
  • それに合わせてDynamoDBにデータ保存 + OpenSearchを使った検索機能
  • その他仕様に合わせて調整

といった段階を踏みました。

発表会では質疑応答の時間があり、その後講評をいただきました。それぞれの主な内容としては、
質問:

  • サーバレスに振り切ったモチベーションとしてはどういったものがあったのか。
    -> 上述の構成に仕上げるまでの流れの内容をそのまま回答。
  • 想定されるアクセス流量はこの設計で耐えられるのか。
    -> 我々の見立てではLambdaのスケーリング機能でなんとかなる想定。同時実行数に関しても上限緩和申請をして対応すればなんとかなりそうという見込み。

講評:

  • 今回のようなサーバレスの多い設計だと短期間での実装には非常に適しているが、Managedなサービス部分が増えるほど自由にカスタマイズできる部分が少なくなっていくのでそういった部分まで考えられると良いかも。
  • Lambdaの実装部分に関してはもう少し考慮の余地があって、例えばアクセスに耐えられるかの部分は平均だけではなくピーク時の流量を想定して耐えられる設計なのか、関数の実行時間がどれくらいかかりそうなのかまで考えられるとより適した設計が見えてくるかもしれない。

討論を重ねてグループ内ではそれなりに納得のいく形に仕上げたつもりでしたが、深い部分まで考えを巡らせることが十分にできなかったなと感じました。
また、仕様書を表面的になぞっただけの設計にとどまらず、実際に運用した際に生じてくる問題部分まで考えを及ばせる必要があることに改めて気づかされました。
企業がプロダクトとして出すものとしてはかなりお粗末なものになってしまったと痛感しましたが、実際の業務でやらかしてしまう前に経験を積むことができたのは大きな収穫だったと思います。

おまけ ~別チームの設計~

発表会では4チームごとに分かれて発表を行ったのですが、チームによって設計方法から粒度までかなり異なっていたのが面白かったです。例を挙げるとキリがないので少しだけ紹介すると、

  • チャット部分のリアルタイム性はAWS AppSyncで実装
  • 処理部分をECS+ASGの設定で実装(ハンズオンでやった内容を応用)
  • セキュリティ部分に注力して認証やIAM設定をガチガチに設定していたチーム
  • 実運用まで想定したリソース選択まで踏み込めていたチーム

などが見られました。

所感

二日間フルタイムの日程だったのですが、終わってみるとあっという間のプログラムでした。グループワークの時間だけでも合計で7〜8時間程度はあったのですが全然話し足りないという感想でした。
また、グループ全員がほとんど同じレベルだったのがかなり良かったと感じます。誰かに任せてやってもらえばいいやではなく、自分が全力で参加しないと完成しないという気持ちになりましたし、他のメンバーも同じような思いで参加していたのではないでしょうか。結果としては全員が何かしらの部分で活躍できる機会があったように思います。
また、発表会を通じて自分たちの設計したアーキテクチャへのFBをいただけたことと、別グループの設計の発表も聞くことができたこと、最後にはAWSの方から実装例の共有もあったりと、短い時間で非常に多くの学びがありました。

おわりに

ある程度AWSを触ったことがあるといった人が実務に近い設計の経験を積むといった文脈では非常に有意義なイベントだと感じました。今後の業務で学んだことを活かしていきたいですね。
一方で、全くAWS触ったことないという人にとってはグループワークの話し合いに着いていくのがかなり大変だったと思いますし、吸収できる学び量もけっこう変わりそうな気がします。とはいえ、最低限の講義パートやハンズオンもあったので、少しでもサービスを触ったことがあるなら十分食らいついていけるのではないでしょうか。
今年度は全部で4回同一内容のイベントが開催されるので、本記事を最後まで読んでいただいたみなさんも参加してみてはいかがでしょうか。

最後になりますが、LIFULLでは一緒に働いていただける仲間を募集しています。今回希望してイベント参加をしたように、エンジニアが成長できる機会が盛り沢山の職場です。カジュアル面談もやっていますので、よろしければこちらもご覧ください。

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