どうも【エンジニアの「市場価値」を向上する】をキーワードに活動している @サム です。 今回はエンジニアの新しいスキル『マーケティング × エンジニア』について書いていきます。
昔と今のITエンジニア
一概にITエンジニアといっても、Webエンジニア、インフラ(サーバ)エンジニア、フロントエンドエンジニア等、様々です。 携わる環境や言語の違いから、必要なスキルも変わってくるため、より専門性の高さが求められていました。
しかし最近は専門性の高さよりも、汎用性の高い(メインスキル + サブスキルを持つ)エンジニアの需要が増えてきていると感じています。
例えば、ほんの数年前まではiDC(インターネットデータセンター)と契約したり自分たちで物理サーバを用意するのが当たり前でした。
用意したサーバにLAMP環境を構築したり、サーバやデータベースの保守運用も必要なので専用のエンジニアもいました。
けれども、AWSやGCPなどクラウド化が進み、インフラ面の構築がGUIベースで簡単に行えるだけでなく、保守面もCI/CDを活用する流れに変わりました。
そのため、Webエンジニアがインフラ面も担当する事が多くなったと思います。
そういった流れから、現状はITエンジニアは職種の掛け合わせ 「ITエンジニア ✕ n」が当たり前になってきています。
例えば...
- Webエンジニア ✕ インフラ
- iOS・Androidエンジニア ✕ バックエンド
など... その流れはエンジニアスキルの掛け合わせだけでは収まりません。
- プログラミング ✕ 数学などの統計学 = データサイエンティスト
- エンジニア ✕ 人事 = ジンジニア
つまり、ITエンジニアは専門性を高めるだけでなく、オイラー図のように様々な職種やスキルと掛け合わせることで、新しいサービスの開発や、既存サービスの成長に貢献できる人材が求められています。
サービスが使われる仕組みを作り出す「エンジニア」
サービスを世の中にリリースするにあたり重要なことな何でしょうか?それは「サービスが使われる」ことです。 どんなに良いサービスも使われなければ、それまでです。 そのため、サービスが使われる仕組みが必要になってきます。それをエンジニアスキルを使って実現するのが、今回のテーマである『マーケティング × エンジニア』になります。
なぜマーケティングなのか
まず、マーケティングを4Pで表すと、各分野でエンジニアリングが関係する部分がありますが、LIFULL HOME'Sの事業でいうと最も大きいのはコミュニケーション(プロモーション)です。
コミュニケーションは新規客と既存客に分かれ、新規客はアドテク界隈の技術が代表的です。
そして、主に既存客へのコミュニケーションの自動化を行うもので、CRMの考え方を母体とするのが「マーケティング・オートメーション・ツール(以下MAツール)」です。その名前のとおり、マーケティングを仕組み化するツールで、MAツールはGDPR等の第三者データの活用規制によってより一層注目度が高い分野と言えます。
MAツールを導入すればいいだけじゃないの?
もちろん導入だけで見れは簡単です。しかし目的はMAツールの導入ではなく、使われるサービスの仕組み化なのです。MAツールはマーケティング全般をツールを使って実施していくため、ある程度のマーケティング知識が必要になってきます。そのため、マーケティングの知識や経験が浅い場合は、MAツールを使いこなせないというリスクもあります。それは一般的なソフトウェアも同様ですね。
MAツールを使うのがエンジニアである必要があるの?
もちろんツールを使うだけならエンジニアである必要はありません。 しかしオムニチャネル*1 を始め、ユーザーにアプローチする戦略のオートメーション化を考えると、MAツールとそれぞれのチャネル*2 との連携は欠かせません。
もちろんLINEやメールと連携できる機能を最初から提供しているMAツールも多く存在します。 しかし、既存のWebアプリケーションやすでに使われているサービスを全て1つにまとめるには、必ずサービスとMAツールを繋げるアプリケーション開発が係わってきます。
こういった事から、マーケティングの知識を持ち、MAツールを使いこなし、サービスを横断して繋げるための開発ができるスキルを持ったエンジニアが必要になってくるのです。
マーケティング × エンジニアのスキルとは
マーケティングとプログラミングの知識を持ったエンジニアのスキルはどのようなものでしょうか?
そもそもマーケティングのスキル全般を収めてしまうと、それはマーケターの領域になります。 もちろんスキルはあればあるほど良いので、マーケター × エンジニアでも問題ありませんが、この場ではあくまでエンジニアとしてマーケティングに着目していきます。
上記でも述べましたが、マーケティングを一番有効・効率的に行えるのが「MAツール」です。基本的にはこのツールを使いこなすスキルは必須となり、MAツールと連携できるサービスの開発が主軸になると思います。
つまりスキルを分けると次のようになります。
- マーケティングスキル...MAツールの利用、連携(、MAツールを使うために必要なマーケティング知識)
- エンジニアスキル...MAツールや既存サービスと連携させるためのAPI開発
もちろん、上記以外でもサービスを構築するためのインフラスキルや、各サービスが配信しているメールのHTMLコーディングやチャットボットなどのUI/UXなど、マイクロサービスを考慮すると必要なスキルは幅広くなってきます。
マーケティング × エンジニアの目指すべきところ
マーケティング × エンジニアとは、サービスが使われる仕組みを作り出す「エンジニア」になります。 MAツールを中心として各サービスとの連携を開発し、エンドユーザに対して様々なチャネルを通じてサービスを配信していく機能を創り出すことです。 それはサービスにおけるLTV(LifeTime Value)やARPU( Average Revenue Per User)にも繋がる大切なものです。
今後のエンジニアは現状のテクニカルスキルの延長線ではなく、そのスキルで何を成し遂げたいかで学ぶスキルが変わってくると思います。 その中でも、ビジネス寄りでサービスの成長を考えたマーケティングスキルを持ったエンジニアは、企業にとって無くてはならない存在になるはずです。
最後に
これまで『マーケティング × エンジニア』について書きましたが、今後もこういったハイブリット型のエンジニアは増えてくると考えています。 フルスタックエンジニアがいるように、サービスを創るだけでなく、いずれはサービスそのものの成長にも新しい目線で貢献できるエンジニアになってほしいです。
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