LIFULL Creators Blog

LIFULL Creators Blogとは、株式会社LIFULLの社員が記事を共有するブログです。自分の役立つ経験や知識を広めることで世界をもっとFULLにしていきます。

【クリエイターの日】社内クラウドファンディングシステムを開発したお話

はろーはろー!チバです。 今回は、22期2Q(7-9月の間)で「クリエイターの日」制度を利用しておこなった、社内クラウドファンディングシステム「FU-SHA」の企画〜リリースまでの取り組みの様子をお送りします!

クリエイターの日制度を利用するに至った経緯

2016年11月に、「アイデアアワード」という社内アワードに応募していたところ、グランプリを受賞することができました\わーい!/

そのときの応募していたアイデアが「社内クラウドファンディング」。一般社員の投票で選ばれたネタなので、みんなの期待を感じられてとても嬉しかったです。

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クリエイターの日とは

度々当ブログにて開催報告をしている弊社の開発合宿制度です。

「こういう目的のために、こんなものを作りたいんです!」と申請すれば、職種関係なく、誰でも業務時間の10%を使い、合宿形式で研究・開発を行うことができます。

変化の激しいICT分野のマーケティング能力、技術開発能力を高め、イノベーションを創造するため、通常業務の枠を離れて、新たな技術や手法に取り組む機会を設けています。希望するクリエイターは、個人またはチームで特設プロジェクトの提案を行い、承認されたプロジェクトについて業務時間の10%を使い、合宿形式で研究・開発を行います。 http://creators.next-group.jp/

「アイデアアワードで受賞できたからには、クリエイターの日制度を利用してカタチにしたい」と思い、参加を決意、応募しました。

クリエイターの日取り組みプロセス

今回の開発フローはこんな感じで進みました。

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1. 立ち上げ - Process of Initiating

チーム結成

社内に呼びかけ、趣旨に賛同してくれた2人を仲間に3人体制で参加を決めました。

チバ、ヤノ、タカラベの3人で社内クラウドファンディングの立ち上げに向けてプランニングを始めます。

リーンキャンバスを利用して思考の整理

リーンキャンバスとは、ビジネスモデルの企画のために用いられるツールです。

限られた1枚のスペースにぎゅっと詰めることで、本当に伝えたい計画「本質」をシンプルに経営者に伝えられたり、チーム内でシェアすることができます。

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今回のクリエイターの日では、活動開始前に休日1日だけ集まり、「合宿」と銘打ってリーンキャンバスの作成をおこないました。

3人のチームで必要なスコープを絞り、期間内に成果物を用意できたのは、簡潔にまとめられた計画書があったからこそだと思います。

2. 計画 - Process of Planning

限られたリソースでのスコープ計画

チバ、ヤノ、タカラベの普段の業務上のスキルセットは下記です。

  • チバ:ディレクター
  • ヤノ:ディレクター
  • タカラベ:デザイナー

普段、フロントの企画・設計・コーディングなどを業務としている3人なので、システムの組み込みはやらないメンバー。

しかしチバ、ヤノの2名にもともと制作経験があったこと、また、タカラベのスキルがフルスタックな事から下記のようにページやパーツ、フェーズ毎に役割を再配分しました。

  • チバ:ページ構成のコーディング - ワイヤフレームの作成、デザインカンプの作成などを割愛することを心がけた制作フェーズ
  • ヤノ:フォームのマークアップ、ローカルへのデータ保存実装 - 創民祭の「デモ映え」のために組み込み作業を優先してもらう
  • タカラベ:メインデザイナー - 基本の色彩計画、マテリアルの統一のために見栄えに関しては1人に集中してもらう

今回のプロジェクトの範囲、およびスコープを明確に共有していたため上記のように振り切って制作に挑みました。

3. 実行 - Process of Executing

大まかな計画の芯を立てた後は、実装に入ります。

細かい仕様書のようなものは存在しないため、机を並べて「小さな意思決定」を口頭で確認しながら進めます。

その際に、チーム3人の目的がぶれないために用いた手法がフレームワークの実践です。

顧客の心を捉えるフレームワーク

マーティ・ケイガン「Inspired: 顧客の心を捉える製品の創り方」 Amazon CAPTCHA

  • 製品化によって具体的にどんな問題を解決するのか?
  • 誰のためにこの問題を解決しようとしているのか?
  • 市場の大きさは?
  • 製品化の成功をどうやって評価するのか?
  • なぜ当社がこの製品化をやるのに最適なプレイヤーといえるのか?
  • なぜ今なのか?
  • どうやって製品を市場に送り出すのか?
  • 成功のために絶対必要な要素は何か?
  • これらを前提とした上で最終的な提案は何か?(やるかやらないか?)

上記心得を事前にすり合わせておき、デザインの方針や機能の提案などぶれないようにします。

ユーザビリティ10原則

ヤコブ・ニールセン「ユーザビリティに関する10のヒューリスティクス (問題解決に役立つ知見) / Ten Usability Heuristics」 website-usability.info

  1. システム状態の視認性を高める
  2. 実環境に合ったシステムを構築する
  3. ユーザーにコントロールの主導権と自由度を与える
  4. 一貫性と標準化を保持する
  5. エラーの発生を事前に防止する
  6. 記憶しなくても、見ればわかるようなデザインを行う
  7. 柔軟性と効率性を持たせる
  8. 最小限で美しいデザインを施す
  9. ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする
  10. ヘルプとマニュアルを用意する

上記はすべての評価はできなかったものの、今後の課題を挙げる良いデザインレビューができました。

ラベリングから操作性まで、一つの目線で様々な方面を見ることができるのでおすすめです。

4. 監視 - Process of Monitoring and Controlling

ベンチマークの設定

「私たちはここまでのレベルに達しなければならない」を明確にするべく、世間のクラウドファンディングサービス、ユーザー投稿型のサービスを観察して特徴を羅列させていました。

品質コントロールのために、それぞれのサービスを使ったときの感情を書き留めておけるように工夫。

「この行動を起こしたときの感情を忘れないようにしたい!」というときには、見た目の印象とともにシナリオを文章で綴っておくことも大切にしました。

5. 終結 - Process of Closing

最後に、成果物の報告フェーズを置きました。

社内システムの開発となると、然るべきところに「いいよ、やっちゃおうよ」と言ってもらうことが必要になります。

そのために、

  • 創民祭参加者がデモンストレーションできること
  • いのさんランチ(社長とランチできる制度)でα版のお披露目をして好感触を得ること

を報告の場として選びました。

ここまでのフェーズは、すべて上記2点達成のために立てた計画です。

創民祭の結果

nextdeveloper.hatenablog.com

おかげさまで、最優秀賞をいただくことができ、チームメンバーで美味しいお寿司をご褒美にいただきました(๑´ڡ`๑)

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写真はヒラマサのお寿司、粒マスタードを乗せたものです。

創民祭でいただいた最優秀賞は、参加してくださった皆さんの投票によって決まります。

つまり、この票は社員皆から「期待されている」ということでもあります…!

このプロダクトはα版を抜けてさらに良いものへアップデートされていくでしょう!していきます!!!!

2年後、3年後には社員がこのプラットフォームを使っている光景を実現させるために、チームFU-SHAはたくさんの期待と応援を受けて回り続けます。

22期3Q(10-12月の間)の活動予定

3Qも、「クリエイターの日」制度を利用してFU-SHAのアップデートをおこないます。

今回はメンバーに新たにエンジニアのオオバを加え、システムとして稼働できるようになることを目指します。

またこの場を借りて、皆さんに楽しくてわっくわくするようなご報告ができることを楽しみにしています(^O^)

ご期待くださいっ!チバでした。