こんにちは。iOS版LIFULL HOME'Sアプリ開発を担当している高橋です。
今年の3月にtvOS版LIFULL HOME'Sアプリをリリースすることができました。 そこで得たノウハウを他の開発者の方々に共有したく、「Developer’s Living - tvOSアプリ開発 -」を開催しました! 今回はその内容についてレポートしたいと思います。
発表
AppleTV Best2016にノミネートされたけどそれほどビジネスインパクトない件
jumbOS5さんの発表です。 Apple TVアプリ「LandSkip」を開発された際に感じたApple TVビジネスの難しさと、 開発する場合に意識すべきことを発表していただきました。
Apple TVアプリビジネスの難しさ
LandSkipは2016年のベストアプリにノミネートされたものの、あまりビジネスメリットがなかったそうです。
ブラウザのないApple TVはWebとの連携が弱く、アプリからWebへの流入やWeb広告でのユーザ獲得といったことができません。 そのため当初期待したプロモーション効果等はあまりなかったそうです。
それでもApple TVに挑戦する場合に意識すべきこと、 やるかやらないかを判断する条件について解説いただいています。
HomeKit on tvOS
@alligator_tamaさんの発表です。tvOSでHomeKitを使ってできることや、 アプリを開発して苦戦したことについてご紹介いただきました。
Origamiアプリ
最初はtvOS版 Origamiアプリのご紹介でした。 TVMLで実装されているとのことで、Live Updateでリリースの手間を削減されているとのことです。
tvOSのHomeKitアプリを作る
tvOSアプリでもHomeKitを使って宅内のアクセサリを発見して操作できるそうです。 ただしiOSと違いホームの編集等はできないそうです。
今回デモ用のtvOSアプリを開発した際にハマった点についても共有いただきました。 フォーカスの制御のために使ったプロパティやプロトコル、デバッグツールについて紹介していただきました。
L知っているか tvOSアプリは iOSアプリと全く異なることを
www.slideshare.net
弊社の塙 拓朗の発表です。
tvOS版LIFULL HOME'S開発で得たいろんなノウハウ
- フォーカス
- 画面デザイン
- カスタムトランジション
- 画像のプリフェッチ
- エッジスワイプ
など様々な内容を紹介させてさせていただきました。
特に後半のRemoteのエッジスワイプの実装方法については、 Gesture RecognizerだとRemoteにおけるタップ位置の絶対座標が取得できないため、 代わりにGameControllerを用いるという意外な手法となっています。 tvOS版LIFULL HOME'Sでは、このエッジスワイプを用いることで、 Mapと同じ操作感で画像を拡大表示する機能を実現しました。
tvOS開発前に確認すべきこと
私(@yousan)も発表させていただきました。 今回リリースに向けて開発することになり、直面した2つの問題についての共有でした。
SDK問題とUniversal Purchase問題
iOS開発の際AWS、Google、Firebaseなどが公開しているSDKを使うことは多いと思いますが、 その多くがtvOSをサポートしていません。今回LIFULL HOME'Sでは自分でWeb APIを叩くよう実装しました。
Universal Purchaseでアプリを配信するとiOSデバイスとApple TVにアプリが同時にインストールされます。 これによりアプリに対するユーザの認知は向上しますが、tvOS版だけ配信停止することができなくなります。 今後のアプリの展開やリソース状況によってはUniversal Purchaseにしない選択も検討すべきです。
まとめと告知
tvOSアプリをリリースした人は少ないと思いますが、その分大変新鮮な勉強会になった気がします。 単純なアプリの実装方法だけではなくビジネスやHomeKitに関する発表があり、 いろんな角度から今のtvOSの状況を知ることができたと思います。 ビジネスとして展開するには現段階では難しいかもしれませんが、 WWDCではApple TVも進化して市場が活性化することを期待したいです!
ちなみに弊社ではWWDC報告会を開催予定ですので奮ってご参加ください!