こんにちは。フロントエンドエンジニアの根本です。
LIFULL HOME'Sのプロダクト開発と、スポーツ関連の新規事業開発に携わっています。
ちょうど1年前のブログ(UXエンジニアとは?新規事業での取り組み - LIFULL Creators Blog)では、UXエンジニアという職種と新規事業開発でどのような取り組みを実践しているか概略を紹介しました。
今回はUXリサーチを取り入れた実際のプロダクト開発について、既存サービス改善と新規サービス開発それぞれに分けて紹介します。
既存サービス改善
インタビューの定期実施
私たちのサービスでは会員の方に常時インタビュー募集をしており定期的にインタビューを実施しています。 インタビューでは下記の共通事項を聞きながら必要があればその時に確認したい点や検討中の施策があればそれに対してヒアリングを行います。
・サービスを認知した場所と会員登録した理由
・現在の利用状況と登録前に期待していた事とのギャップ
・実際に使ってみて使いづらい点や要望
ユーザーストーリーマッピング作成
既存サービス改善を行うにあたって、サービス全体のユーザーストーリーマッピングを整理し直しました。
整理結果をもとに不足している機能群を洗い出し、優先度の重みづけをし重点的に対応すべき機能をピックアップしました。
また、会員には様々なユーザー属性がありその属性毎に必要な機能差分があれば色分けし整理します。
施策への落とし込み
ユーザーストーリーマッピングを整理し見えてきた優先度高の機能について、インタビュー結果をもとにユーザー行動の洗い出しと発話を整理し改善のアイディアを洗い出します。
このように定期的にインタビューを実施することで、既存機能の改善をする際のインプットとして活用できPDCAを高速に回せることを実感しています。
新サービス開発
元々指導者向けにスポーツの練習メニューを提供するサービスを開発運営していましたが、今回選手向けの新規サービスの企画を進めてきました。
コンセプトテスト1回目
新規サービスを開発するにあたり、課題仮説とそれに対するコンセプトを用意し選手の保護者11名を対象にユーザーインタビューしました。
今回のイタンビューでは課題共感とコンセプト及びソリューションへのマッチ度を五段階で評価して頂き、自分達の検討している新規サービスがユーザーに受け入れられるのか検証しました。
選手年齢・競技経験・競技意欲・練習頻度など様々な基本情報をヒアリングすることで、今回の初期顧客となるペルソナ像の肉付け作業も合わせて実施しました。
初期顧客へのコンセプトテスト2回目
コンセプトテスト1回目から見えてきた初期顧客ユーザーへ追加インタビューを実施し、利用前UX・利用中UX・利用後UXを聞くことでユーザー体験設計時のインプット材料を整理しました。
【利用前UX】
・サービスを知ってから導入するとしたらどんな流れで導入するのか
・こういったサービスや教材はどこで認知することが多いか
・認知した時に、どんなプロセスで検討するか
・導入する時の決め手は何か(期待値は何か)
【利用中UX】
・全体感としてどのような利用の仕方をするか・いつ利用するか(曜日や時間帯など)
・誰が利用するか(本人、保護者、両方)
・利用するデバイスは何か(スマホ、PC、タブレット)
・どこで練習するか(家の中、家の前、公園など)
・練習する時にネックになりそうなことはあるか(端末など)
【利用後UX】
・保護者として導入してよかったと価値を感じる要素は何か
・選手が価値を感じる要素は何か
ワイヤーフレーム作成
プロダクトのワイヤーフレーム作成は自分が担当していますが、今回UXリサーチに時間をかけ様々なユーザーの声を聞いたことで、一つ一つの機能がなぜ必要なのか不要なのか言語化することが容易になりました。
本実装&リリース
本実装を終え、今年8月に無事プロダクトリリースを致しました。
UXリサーチを通常よりも念入りに実施したこともありリリースまでの期間は少し時間を要してしまいましたが、リリース後1ヶ月を迎えユーザー登録数も順調に推移しており、想定ペルソナのユーザーに利用いただいています。
また次のフェーズとしては、会員に対してインタビューを継続的に実施し実際の使い勝手について追加リサーチしていく予定です。
最後に
LIFULL HOME'Sのプロダクト開発においても、UXリサーチは積極的に取り入れられており、リサーチ内容によって様々な検証が実施されています。
この1年様々なプロジェクトのUXリサーチに参画させていただく中で、改めてユーザーの行動や意識を理解することで、より良い体験を生み出せることを実感しました。
また、実際に自分のサービスの向こう側にいるユーザーと対話することでユーザーのためにもっと良いプロダクトにしなくてはという使命感も感じます。
これからも日常的にUXリサーチを取り入れながらプロダクトに愛を持って開発を続けていきたいと思います。
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