はじめに
こんにちは!LIFULL HOME’S iOSアプリエンジニアの遠藤・佐藤です。
今回は、2025年の9月19日(金) 〜 9月21日(日)の3日間で開催された、iOSに関連した技術をコアテーマにしたテックカンファレンス「iOSDC Japan 2025」に参加してきました。この記事では、3日間で行われたセッションの中から私たちの印象に残ったセッションやイベントの様子について振り返ります。
iOSDC Japan 2025とは
iOSDCは、記念すべき第10回目の開催を迎えました!これまでは早稲田大学理工学部 西早稲田キャンパスにて開催されていましたが、第10回となる今回は会場がグレードアップし、有明セントラルタワーホール&カンファレンスにて開催されました。トークテーマはiOSに関する内容を始め、Vision Proやクロスプラットフォーム、AIといった多岐にわたる分野を網羅し、LT大会や多数の企画も充実していました。
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印象に残ったセッション
ユーザー数10万人規模のアプリで挑んだトップ画面のUI刷新
この発表では、ユーザー数10万人超のアプリにおいて、WebViewベースであったトップ画面をネイティブ実装に刷新した事例が紹介されていました。従来の操作感を損なわずに段階的に移行を進めたプロジェクトで、多くのユーザーを抱えるアプリのUI刷新の事例として非常に参考になる内容でした。
特に印象的だったのは、ユーザー体験を最優先にした移行戦略です。段階的な移行を進める中で、各フェーズごとにユーザーからのフィードバックを収集し、課題を一つずつ解決していったそうです。具体的な指標として「ロールバック率(新画面から旧画面に戻したユーザーの割合)」を計測し、改善を重ねていった点が紹介されていました。
こういったフィードバック収集と改善の結果、最終的にロールバック率5%未満という高い受け入れ率も記録しつつ移行を完遂されており、ユーザーとの対話を徹底したUI刷新の成功事例として、とても勉強になりました。(遠藤)
ABEMAモバイルアプリがKotlin Multiplatformと歩んだ5年 ─ 導入と運用、成功と課題
こちらの発表では、ABEMAにおいて約5年間にわたってKMP(Kotlin Multiplatform)を運用してきた具体的な事例を紹介されており、実際に業務でKMPを扱う私にとって、とても興味深い発表でした。 2020年ごろから検証を開始し、段階的に導入を進めてきた経緯を詳しく説明して下さっていました。現在では、サービスの中心となる画面に関連するロジックの多くがKMPによって共通化されているとのことで、大規模サービスでの長期運用がどのように実現されているのか、その実態を知ることができました。
また、KMPの導入プロセスや実際に生じた課題、そしてチームでの実装効率がどう変化したかなど、実践的な内容が取り上げられていました。特に、処理をどこまで共通化すべきかという判断基準や、Swift6やSwiftUIの導入とKMPをどう両立させたかなど、現場で直面する具体的な課題への取り組みを紹介されていて、多くの学びを得ることができました。(遠藤)
iOSエンジニアキャリア設計入門 〜”先進性”をキャリアの武器へ〜
このセッションでは、ネイティブアプリエンジニアを取り巻く最新の市場動向を知ることができました。スマートフォンアプリ開発全体では、クロスプラットフォームであるFlutter(Dart)の勢いが増しており、SwiftとFlutterの両方を使うエンジニアも増加しているという明確なトレンドを解説してくださいました。 AIの活用によって開発効率は急速に向上していますが、企業側からのニーズは引き続き高い水準を保っているそうです。 今後のキャリア戦略としては、iOSとAndroidの両OSのネイティブ知識に加え、共通化の判断ができる能力がより重要になると感じました。
ちなみに、弊社のLIFULL HOME’Sアプリでも、Kotlin Multiplatformを使ってバックエンドの共通化を行い、ネイティブの特性を活かしつつ開発効率の向上に取り組んでいます。詳細については、過去の記事(LIFULL における Kotlin Multiplatform(KMP) - LIFULL Creators Blog)でご紹介していますので、ぜひご覧ください!(佐藤)
カスタムUIを作る覚悟
カスタムUIは、標準UIが持つアクセシビリティや多様な入力への対応を、すべて自力で担う必要があるという、そのコストと難しさを改めて痛感させられる内容でした。 iOS/iPadOSアプリ開発における基本的な考え方は、標準APIを最大限に活用することです。安易にナビゲーションやコントロールをカスタム化してしまうと、ユーザー体験を損なうリスクがあることを認識しておく必要があります。カスタムUIを選択するということは、単に実装する技術的な問題ではなく、UIデザイナーとエンジニアが静的なデザインを超えて密に連携すること、そして時には勇気ある撤退も視野に入れるという「覚悟」が不可欠だと学びました。
後日、このセッションの動画をエンジニアだけでなく、企画職やデザイナー職も交えて視聴し、それぞれの視点からの学びを共有しました。カスタムUIの選択が、プラットフォームへの深い理解、UX、そしてチーム全体の総合的な判断に関わる重要な問題であるという認識を、チーム全体で共有できたことは非常に貴重な機会となりました。(佐藤)
イベントの雰囲気
ルーキーズLTでは会場全体が登壇者の好きな色にサイリウムの色を切り替えて、応援していました!一人一人に合わせた応援で登壇者を後押しする、温かい演出が印象的でした!

会場の1フロアほぼ全体にスポンサー企業ブースが立ち並び、各社の技術紹介やノベルティ配布、クイズなどで大盛況でした🥳 ビンゴ形式のスタンプラリーで各社のブースを巡る企画もあり、楽しみながら企業の取り組みを知ることができる工夫が印象的でした!


ちなみにday1、day2ともに、朝にドーナツが配られていました〜🍩 会場が変わっても、早朝から用意してくださった運営の皆さんの熱量と気配りに感謝です!
4Fの展示ルーム前にドーナツがデプロイされました!
— iOSDC Japan (@iosdcjp) 2025年9月21日
是非ご賞味ください 🍩#iosdc pic.twitter.com/ulEsr2t0Wo
まとめ
今回iOSDCに参加して、様々なセッションを通じて、各社の取り組みや技術選定の背景など、日頃の開発現場の姿を垣間見ることができました。
また、昨今はFlutterやKotlin Multiplatformをはじめとしたマルチプラットフォーム開発が活発であったり、比較的新しいアーキテクチャを取り入れる事例も見受けられるなど、モバイルアプリ開発が依然として目まぐるしく変化していることを改めて実感しました。 弊社のアプリチームでも実際にSwiftUI、Kotlin Multiplatformを取り入れた開発をメインで行っていることもあるので、今回得た視点、知見を日頃の開発業務にぜひ活かしていこうと思います。
最後に、LIFULLでは一緒に働いていただける仲間を募集しています。単にサービス開発をするだけでなく、自らの知見を深め、エンジニアやプロダクトマネージャーとしてのキャリアを築く上で大切な事を得る機会が多くある職場です。カジュアル面談も実施しておりますので、もし興味があればそちらもご覧いただければと思います。