エンジニアの松尾です。LIFULL HOME'Sの売買領域を支えるエンジニアチームのマネジメントを担当しています。
弊社のサービスは、主にサービス企画、デザイナー、エンジニアの3職種により進められています。今回はより良いプロダクト開発のために3職種の連携を強める取り組みについて紹介します。
より良いプロダクトを開発するために
現在LIFULLでは組織が職能別に分かれており、各領域の専門性を高めるためにさまざまな取り組みが行われています。
私が所属するプロダクトエンジニアリング部でも、勉強会の開催、独自のKPIの設定、技術的負債解消への取り組みなどを進めてきました。
一方で職種間の連携にもまだまだ伸びしろはあります。そこで、現場におけるコミュニケーション上の課題と打ち手を考えてみます。
上手に期待感をすり合わせたい
書籍「アジャイルサムライ」では、チームメンバーどうしでお互いの期待感を伝え合うための「ドラッカー風エクササイズ」という手法が紹介されています。自身が思う強みや役割と他者からの期待のギャップを明らかにすることで、お互いの魅力を引き出します。
弊社でもプロジェクトごとにキックオフのタイミングで実施されていることが多く、チームビルディングの一つとして重宝されています。しかし、現在の組織は構成人数が多く、プロジェクトメンバーの変更が発生することもあり、個人間の期待をすり合わせ続けることはなかなかのコストです。
そんな悩みを抱えていたときに「 どういうデザイナーとだと仕事しやすいか」という記事を拝見し、個人以前にほかの職種に対しての期待も少なくないことに気付きました。
そこで、コミュニケーションの土台として、サービス企画、デザイナー、エンジニアの3職種間での期待感をすり合わせるための取り組みに着手しました。
チームで取り組んだこと
今回の取り組みではLIFULL HOME'Sの売買領域でエンドユーザ向けの開発に関わるメンバーを対象にしました。各職種は下記のような内訳です。
- サービス企画: 10名
- デザイナー: 5名
- エンジニア: 15名
事前課題
- 自分の職種について、「役割/強み」を記入する
- 他の職種に対して、「期待すること」を記入する
- 「期待すること」を見渡して、同意するものにリアクションをつける
気軽に回答できることを優先するため、記入する内容はドラッカー風エクササイズよりシンプルにしています。とはいえ大人数での意見をまとめる必要があるため、スペースや人数の制限が少ないホワイトボードとしてmiroを採用しました。
議論
記載された内容について、不明瞭な部分や背景を聞きたい部分を職種間で議論しながら深掘っていきます。すべて理解できたあとに、職種内で期待されていることに対しての振る舞いをふりかえり、教訓とアクションをまとめました。
私達が期待している/されていること
全体的に「協力は惜しまないので、妥協せずにやってほしい」という姿勢の意見が多く見られました。ある人にとっては「当然のことでは?」ということでも明示的に伝えることで、より互いの理解が深まりました。
実際に出てきた意見の一部を抜粋して紹介します。
サービス企画への期待
- PJ全体の優先順位の相談〜判断
- 目的/意義/効果に納得できる施策を提案してほしい
- リリース後にも継続的にその機能を見直してくれるとうれしい
デザイナーへの期待
- すごいと思える/説得力のある/最良のデザイン
- サービス全体を俯瞰した情報・デザインの整合性
- UIだけでなくUXも一緒に考えてほしい
エンジニアへの期待
- 実装方法の工夫で仕様の可能性を広げること
- 他のサービスに横展開しやすいように実装してくれること
- 実装中にモヤモヤするところがあれば率直に伝えてほしい
まとめ
自組織において職種間の期待を伝え合う方法を紹介しました。今回の結果はあくまでも弊社での一例ですので、プロダクトの特徴や組織のあり方に応じてきっと違う結果が出ます。
ちなみに後日メンバーから、「対個人じゃないので素直に書きやすかった」というコメントがありました。完成度の高いチームでは個人間で率直に伝え合えば済む話ですが、そこに至るまでの途中段階として今回のようなワークショップを挟むのも良い手段だと思います。
今後もより良いプロダクトを世に送り出していきます。ともに最高のチームを作っていく仲間を募集しておりますので、よろしければこちらのページもご覧ください。